五感に心地いい刺激を与えることで体の不調を改善【補完代替医療】

脳内物質オキシトシン研究の第一人者であり、脳や胃腸の分野で米国で最先端の研究を20年続けた「クリニック 徳」院長の高橋徳さんにお話を伺っています。

前回の記事はこちらから→自律神経を整えてストレスをなくす幸せホルモン「オキシトシン」

ーーー人を思いやる心からもオキシトシンはでるのですね。

はい、オキシトシンが出ますと、いろいろ自律神経の調子もよくなったり、ストレスも軽減されたりなど良い事がいっぱいあります。

だからいかにオキシトシンを出すかということなんです。

人から愛されてばっかしでもいいのですが、それはそれで良いんですが中々そのような環境は難しいです。

自分の奥さんがずっと愛してくれるかといったらわかりませんよ(笑)

でも自分から愛することは周りに関係なく自分の意思でできるじゃないですか。

ただ形式的では良くないです。

家族で食卓を囲んだり、お出かけ前のハグだけでも血圧が下がったりするというのはアメリカの論文でもあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15740822?dopt=Citation

五感に心地いい刺激を与えることで体の不調を改善する方法は、すでに医療現場でも積極的に導入されています。

それが、補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine;CAM)と呼ばれる医療です。

私は、前頭葉を活性化し、脳内でのネットワークを刺激する「心身療法」を「トップダウン効果」、末梢の感覚神経を刺激することで脳内の神経活動を促す「手技療法」を「ボトムアップ効果」と名づけています。

「ボトムアップ効果」は例えばマッサージした時に気持ちいい刺激で頭にオキシトシンがでるのです。

「トップダウン効果」というのは例えば、人を思いやる、脳を使って前頭葉で考えて思いやる、優しくしようと思うと今度はそれが下方(視床下部)にいきます。

瞑想もそうですね、『慈悲の瞑想』といってチベットでやっている瞑想が何千年と続いているのですが、それは人のために一生懸命思いやる瞑想なんです。

その瞑想をやるとやはりオキシトシンが出て体が元気になると考えられます。

慈悲の瞑想は昔ながらの宗教的な儀式なんですが、それをアメリカ人で応用した人がいるのです。ある程度修正して患者さんにやらせたのです。

LKM(Loving-kindness meditation)と呼ばれています。

それが20年前くらいです。10年間くらいいろいろ試してみて、そして10年前くらいに論文が二つほど出ています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16049118?dopt=Citation

やり方は簡単にいうと一生懸命他人の事を思いなさいよと教えます。まずは自分の周りの人から、奥さん、子供など。それは思いやすいですよね。

そのうちにもう少し対象を広げていきます、例えば今日スーパーで会ったレジのおばちゃん、勿論ですが全然知らないです、その人を一生懸命思って瞑想をします。

それをもっと広げていく。

例えば自分の嫌いな人を思い浮かべて、あの人が幸せになりますようにと思うわけです。

そこまでいくと中々できないでしょ?

患者さんにやっていくと頭痛がなくなった、不安がなくなったり、腰が痛いのがなくなったとかがあったのです。

その発想がすごいと思いませんか?医者が患者に指導するわけですから。

例えば普通だったらイライラするのであれば精神安定剤、腰が痛いのであれば痛み止め、これが医療現場ではスタンダートだと思います。

『病は気から』って言葉がありますよね、普通は「あんなのは嘘だ」と思っている方が多いと思いますが、自分の気持ちを変えることであるいは前向きにすることで自分の体の異常が治っていくのです。

決して宗教でもなくまやかしでもなく、それが最先端の考え方となってきています。遺伝子工学やっている偉い人達が言い出しているわけですからね。

というのは気持ちを前向きにすることで遺伝子も変わってくるということなのです。残念ながら、日本ではまだまだこの考え方を偏見とみなす方が多いのが現実です。

ーーーオキシトシンは脳からは出ますが腸からはでないのですか?

言われてはいます。論文もありますが、私は信用していないです。

セロトニンは腸ですが、オキシトシンも腸から出るかもしれないけど量的にはすごく少ないですし脳の方が絶対多いです。

ーーーオキシトシンが上頭頂葉後部を抑えるとも。

それはあくまでも仮説なんですけども上頭頂葉後部というのは自分と他人を区別する場所なんです。

だから私は私であり、あなたはあなた。それは当たり前ですよね。

ところがいわゆる瞑想(座禅でもいいのですが)では『無我の境地』と言いれている心の状態があります。

我が無くなる、それはどういうことかわからないですよね?

結局、それは自分と他人の区別が無くなるのです。そうするとどういう事になるかと言えば、私があなたで、あなたが私になります。境界がないですから。

そうするとどうなりますか、他人だったのが自分なのです。愛する、信頼するのが簡単にできますよね、だって自分ですからね。

その境地に至る為に今まで瞑想、宗教、座禅あるいはヨガとかあったのだと私は思っています。

ヨガでは変なストレッチやるでしょ?あの究極の目的は瞑想のできる体力をつくることなんです。

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高橋徳(たかはし・とく)

1977年、神戸大学医学部卒業。関西の病院で消化器外科を専攻した後、88年米国にわたる。ミシガン大学助手、デューク大学教授を経て、2008年よりウィスコンシン医科大学教授。

→ ドクター徳のウイスコンシン医科大学でのホームページ

米国時代の研究テーマ「ストレス」を研究していく過程で、オキシトシンと出合う。以降、10年以上にわたりオキシトシンの研究を行い、アメリカでオキシトシンに関する論文を発表。

帰国した後、国内のオキシトシン研究の第一人者として、日々研究を続ける。

13年には、郷里の岐阜県で統合医療クリニック「高橋医院」を開業。

16年、名古屋市に分院「クリニック徳」をオ—プン。

→ 統合医療クリニック徳

『日本健康創造研究会』

統合医療を広めるために、同志や患者さんを巻き込んで研究会を開催していきたい!

HP: https://jhcjapanhealthcreation.wordpress.com/

クラウドファンデイング: https://readyfor.jp/projects/kenkosozo

主な著書に、『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』(アスコム)『人は愛することで健康になれる (愛のホルモン・オキシトシン)』(知道出版)、『あなたが選ぶ統合医療: 古今東西の叡智が命を守る』(知道出版)。

youjo-labo編集部
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。
 

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