【取材レポ】
世界のみりん屋 愛桜 三河みりん 【杉浦味淋株式会社】
杉浦 嘉信
世界のみりん屋 愛桜 三河みりん 【杉浦味淋株式会社】 大将(代表)
愛知県碧南市で昔ながらの製法で味と造りを守り続けるみりん蔵「みりん屋」杉浦味淋。ブランドは「愛桜」と言い、愛知県の桜または誰からも愛される桜のような製品になればと、創業者である杉浦定治郎が命名しました。
お店のこだわりが込められた愛桜純米本みりんは、芳醇な香りで飲みやすく、料理に使えば煮崩れしないという特徴があります。
普段皆様が使われている普通本みりんよりも少しお値段は高くなりますが、それに見合うだけの、高級食材としての味、質は保証致します。
養生ラボ(以下、養生) 今日はみりんの話を聞きにやって来ました。今はちょうど本仕込みをやっているところとお聞きしたんですが今が一番忙しいんでしょうか?
杉浦 嘉信(以下、杉浦) う~ん忙しいのはタイプが違うんですけど、今は作るので忙しいですね。出荷はまた違う月なのでね。
杉浦 みりんというとどんなイメージですか?
養生 調味料のイメージですが、前に三州三河みりんさんと話させてもらった時にその時にお米のリキュールでもあるんだよと聞きました。
前まではみりん風調味料のイメージだったので熟成されたみりんの色の濃さにビックリしましたしお酒のイメージはまったくなかったです。
杉浦 甘いお酒ですね。うちはお酒のカテゴリーですので、みりん風調味料は食品ですので、別物ですわ。
養生 全然違うんですよね。
杉浦 まったく違いますね。水飴にグルタミン酸(うまみ)を足しただけで混ぜてあるだけです。
いわゆる味の素ですね。ですからうちらは醸造物といって、結局醸造物は何かって言うと、まず麹をつくる、微生物の力を借りて、食品の加工ですね、いわゆる穀物だとか農産物を微生物の力によって違う形に変える。
みりんの場合は原料がもち米ですので、もち米のデンプンを糖化させるてタンパク質を旨みに変える。そういう作業をしますので、みりん風は混ぜて出来上がりですから。
養生 みりん風と本みりんだと栄養も変わってくるんですか?
杉浦 栄養とゆうか水飴ですから、ここに比較が書いてあるけど原料が全然違うんですね。
養生 一年みりんと三年みりんの色がかなり違いますが、熟成によって変わってくるものなんですか?
杉浦 それもあるし、同じ本みりんでも原料が違うんですね。ここにも書いてあるんですが純米タイプがうちがやってるのですね。
醸造タイプは原材料を見るともち米、焼酎は一緒なんですが、焼酎が違うんです。まあ醸造アルコール(無味、無臭)はいわゆるホワイトリカー、スピリッツみたいな度数によって呼び方が違うんですが、この本みりんもぶどう糖を入れて甘味を追加してあるんですね。
糖類ってのはぶどう糖ですね。
我々の本みりんは時間がかかりますから普通の本みりんでも2ヶ月くらい、いわゆるわかりやすく言うと甘酒状態ですね、甘酒に焼酎が入った感じの、もろみと言いますが。
養生 ここは90日でもろみを仕込んでいるんですよね?
杉浦 うちはそこを三年前から変えて半年もろみって形でやっています。ですから旨みと甘味が他のものと全然ちがいますね。
養生 熟成すると甘味とかも増すんですか?
杉浦 そうですね。そのかわり雑味とか酸味も増えますけどそれ以上に旨みと甘味がカバーしてくれる。
他のみりん屋で6ヶ月もろみをやっているところはないんじゃないんですかね、うちぐらいですわ、業界では6ヶ月もろみなんてやったら雑味ばっかだわーとも言われるし、結局早く作って早くだしたほうがお金になりますからね。効率を考えてますからね。
うちはそこよりも中身のより良いものを作って行きたいのでね。
2に続く⇒長期熟成天然醸造の手造り本格三河みりん「杉浦味淋」2/4
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。