シックハウス症候群などの原因となる有害な化学物質を使わない「無添加住宅」を開発した秋田憲司さんの連載コラムです。
最近のハウスメーカーの外壁はサイディングが主流ですが、このサイディングを施工する時、目地をコーキングで防水しなければいけません。
皆さんは、コーキングが何十年もつと思われますか?
外部のコーキングは、酸性雨や紫外線にさらされボロボロになり、多分15年くらいで寿命がきて、やり替えが必要になると思います。
コーキング
たかがコーキング、と軽く考えてはいけません。
補修しないと切れたコーキングから水が中に入って構造材が腐ってしまいます。また、費用もばかになりません。
足場を組み、けっこう大がかりな工事になり、ハウスメーカーなら150万円はかかるでしょう。
もしその時、ローン返済や教育費などでお金がたまっていなかったら補修できなくなってしまいますね。
そして今度は、いま多く使われている屋根のカラーベストの色がはげてきます。
この塗り替えも20万〜30万円はかかるでしょう。
そして築後25年になるとこのスレートの屋根の色がまたはげてきて、ふき替えが必要です。
30年になると今度は外部のサイディングがボロボロになり張り替えとなります。
ここまでくると、「次から次にお金がかかるので、いっそ建て替えしたほうがましだ」ということになり、築30年で建て替えとなるのです。
ローン以外にたくさんのお金がかかることをハウスメーカーの営業マンは言わないのです。
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無添加住宅開発者「秋田憲司」
1959年、兵庫県西宮市生まれ。摂南大学工学部建築学科卒業。
ハウスメーカー、不動産会社の営業職を経て、実家の工務店を引き継ぐ。88年秋田ハウジング株式会社設立。
学生のころから探求してきた自然科学の知識を生かして、2000年シックハウス症候群などの原因となる有害な化学物質を使わない「無添加住宅」を開発。
01年株式会社無添加住宅設立。
「自然と共存する家」を基本に、誰もが健康に暮らせる住まいづくりを実践している。
無添加住宅のホームページはこちらから⇒無添加住宅
著作に「無添加住宅!―化学物質を使わない、世界でいちばん自然に近い家」「未来の家作りは、江戸時代に学ぶ。 「無添加住宅」の科学」など。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。