現代の家は30年くらいで朽ちていくように仕向けられている

シックハウス症候群などの原因となる有害な化学物質を使わない「無添加住宅」を開発した秋田憲司さんの連載コラムです。

KD材(キルンドライ材)

KD材(キルンドライ材)ってご存知でしょうか?人工乾燥材のことです。

現在の住宅のほとんどが、100度以上の高温で人工的に乾燥させたこのKD材を使用して建てられています。

そもそも材木の中には、樹脂というものがあります。

この樹脂は、外敵からの侵入を防ぐためと、材木の強度を上げるためにできたものです。樹脂として代表的なものは、油絵具の油とか、化石の琥珀などです。

これらは人工的なものでは不可能なぐらい長持ちしてますよね。

この樹脂は高温にさらされると沸騰して気化します。材木を100度以上で熱すると、水分とともにこの樹脂が気化します。

そして乾燥材が作られます。

樹脂は本来長年にわたって硬化していくものです。ですから、生木は長年にわたって強くなっていくのです。

しかし、樹脂が抜けた乾燥材はどうなると思いますか?

外敵から守るための樹脂がなくなった木は毒が抜けた木と同じです。樹脂の中には昆虫が嫌がる成分も含まれています。

それがなくなった木は、昆虫からも好かれますし、菌類からも好かれます。ということは、虫に食われやすく腐りやすい木になっています。

さらに残っている樹脂の硬度は失われています。

本来ひのきや杉の木は、シロアリなどの害虫に食べられない木なので、昔から構造材として使用されてきました。

それらを使用した神社仏閣やら古い民家などは、未だに現存しています。

シロアリの被害もありません。ぜひインターネットで調べてください。しかし、アメリカカンザイシロアリに食べられている木の第三位がひのきなのです。

それは、乾燥させたひのきが虫に食われる証拠です。

生木はやせたりひび割れすることが大問題ということを洗脳させられ、乾燥材が一番いいと信じて、ほとんどの工務店はそれを使用していますが、本当に長持ちする家を造りたい方は、是非生木にしてください。

多少そったりすることがそんなに許せないものでしょうか?

長持ちする家を建てさせない国の陰謀なのでしょうか?

多少梁が反るとボールが転がることがあります。それは許されないことなのでしょうか?

私は長持ちする家のほうが、ボールが転がるよりはよいと思っています。みなさんはどう思われるのでしょうか?

当然乾燥させた木より生木の方が価格も安いです。

昔、電柱は杉の柱であったのをご存知でしょうか?今はコンクリートですが、昔はすべて杉の芯材を使っていました。地面に埋めて電柱を立てていました。

それで何十年も腐らずに電柱の役目を果たしていました。風雨にさらされても芯材はなかなか腐りません。これが乾燥材だったら容易に菌類が侵入し、腐ってしまいます。

本来、針葉樹に生えないきのこが菌糸を伸ばしてきのこが生え、木は朽ちてしまうのです。

その証拠の写真がこれです

このきのこは、ウスヒラタケといって広葉樹に生えるきのこなのですが、樹脂がなくなったせいで針葉樹に生えたという証拠です。

この写真は築2年でこうなってしまいました。雨漏りが原因なのですが、生木であれば電柱のようにここまでなっていません。

ですから現代の家は30年くらいで朽ちていくように仕向けられているのです。消費社会への誘導なのです。

家というものは、固定資産税という税金がかけられています。30年以上経つと固定資産税が非常に安くなります。

しかし30年で建て替えると、また高い固定資産税に変わります。そしてまた皆さんは税金をたくさん払わなければなりません。

ぜひ皆さんは、乾燥材でも接着剤を使った集成材でもない木で、長持ちする家を建てていただくことを切に願います。騙されないようにしてくださいね。

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秋田憲司

無添加住宅開発者「秋田憲司」

1959年、兵庫県西宮市生まれ。摂南大学工学部建築学科卒業。

ハウスメーカー、不動産会社の営業職を経て、実家の工務店を引き継ぐ。88年秋田ハウジング株式会社設立。

学生のころから探求してきた自然科学の知識を生かして、2000年シックハウス症候群などの原因となる有害な化学物質を使わない「無添加住宅」を開発。

01年株式会社無添加住宅設立。

「自然と共存する家」を基本に、誰もが健康に暮らせる住まいづくりを実践している。

無添加住宅のホームページはこちらから⇒無添加住宅

著作に「無添加住宅!―化学物質を使わない、世界でいちばん自然に近い家」「未来の家作りは、江戸時代に学ぶ。 「無添加住宅」の科学」など。

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