かつて95パーセントを輸入に頼って防腐剤にまみれたレモンは、今では国産で皮まで食べられる安全なものが普及しはじめている。
その先端的リーダーである愛知県・豊橋市の果樹園農家5代目河合浩樹が、5年かけて成功した完全無農薬レモンの栽培方法と哲学とは。
愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園の代表の河合浩樹さんに話を伺ってきました。
ーーー無農薬のレモンは珍しいと思うんですが、、
珍しくはない時代になってきてはいますが、本当の無農薬だと山奥とかでしか無理だと思うんです。
私のところはハウス栽培でかこっているからまだ大丈夫ですが、やはり近くでは農薬を撒いたりしますのでね。
ーーーいつぐらいからやられているんですか?
今年で27年目になります。実際売るようになって今年が22回目になります。
研究を始めて5年後やっと収穫ができましたが大失敗。6年目にやっと満足のいくものが採れました。
ーーーやり始めたきっかけは?
父親が体が弱く、僕がやり始めた頃は食べていくだけで精一杯の農業でこれだけじゃいけないということで・・・
その当時はみかんとお米を作っていたんです。そこでたまたまレモンが1鉢あったんですね。
これならいけるんではないかと思ってしまったんです。それがそもそもの苦労の始まりになるんですが・・・
作りたいとは思ってはいたんですが、最初は無農薬でできるのかは半信半疑だったんです。
ーーーそれはなぜなんですか?
それはレモンの皮に栄養があるのを知っていたからなんです。
抗酸化物質いっぱいのレモンはそれらの成分の相乗効果が大きく健康に貢献していた。
特に皮に含まれる成分がポイントで、ビタミンEと同じぐらい抗酸化力のあるエリオシトリン、ビタミンCの細胞内残存時間を2~3倍にしてくれるヘスペリジン、ビタミンCの酸化を抑えるリモネンとシトラールなどがある。
そこが最大のポイントなので無農薬でできるように失敗を重ねながら工夫をしました。
海外のものは収穫後ポストハーベスト農薬を使っているので、皮を食べることに抵抗があるじゃないですか。
収穫1年目、灰色かび病にやられて大失敗!父親にキウイフルーツを作ったのかと言われました!
最初に1本だけ無農薬だと誰でもできるんです。
それを100本にして経済栽培すると、病気が出やすい条件になります。
それをどうしたら病気が出ないようにするか模索する過程で苦労しましたが、途中でやめようとは思いませんでした。
そして収穫2年目、1年目の大失敗を乗り越え満足のいくものができました。
うちは鉢で作っているので本物のレモンができるんです。
本物のレモンとは何か?それに私は初め気づいていませんでした。それを教えてくれたのはお客様のレモンを食べた感想でした。
国産のレモンは皮が硬くて果汁が少ないというのが欠点です。
ヨーロッパに住んでいたお客さんが河合さんのレモンはヨーロッパで食べたレモンと一緒だって言ってくれたんです。
私のところでは、ハウスの中で鉢に植えて作っているのでそこがイタリアのアマルフィーと一緒(同じ環境)だったんです。
でもこれはわかっていてやった事ではなくて、知らずに作り方を研究してやってきた結果なのです。
今ではこれまでの経験で、海外の映像を見ただけで、レモンや枝ぶりや葉の様子で栽培法がわかるし、レモンを切ったときの果汁の出方などで品質もわかります。
なんでわかるの?なんて聞かれるんですが、それは自分でやってきたからわかるんですね。
よく聞かれるんですが何を重要視していますか?って言われるんだけど、総合的なものなんです。
だから重要なものは一つではないのです。いろんなもので支えているんです。
今でも無農薬レモン栽培の技術は多くの気づきを自然からいただき、まだまだ進化を続けています。
こうやって作り続けることができるのも、多くの無農薬レモンファンに買い支えられているからなのです。
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河合果樹園 代表 河合浩樹
〒441-3105 愛知県豊橋市中原町字南37-1
TEL 0532-41-2033
FAX 0532-41-2072
9月下旬~12月 無農薬グリーンレモン ¥2300(税込み、送料別)
1月~4月上旬 無農薬フルーツレモン ¥2600(税込み、送料別)
お送り先とケース数を明記の上メールまたはFAXでお申し込みください。
売り切れや季節限定の場合もありますのでお電話でご確認の上お出かけください。
豊橋、浜松方面の方は フードオアシスあつみ
豊田、岡崎方面の方は スーパーやまのぶ
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「虫たちと作った世界に一つだけのレモン」 朝日新聞出版 河合浩樹著
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。