前回の記事に引き続き、愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園の代表の河合浩樹さんに話を伺っています。
お客さんが認証
Q 河合果樹園のレモンは防腐剤も使ってないのに冷蔵庫保存でも1ヶ月近く平気なのは、どうしてでしょうか?
A これもぼかし肥料(発酵肥料)とEM菌や光合成細菌をレモンに与える事で、達成できるようになりました。
これらの微生物が作る抗酸化物質が植物体を元気にしてくれます。メカニズムは土壌中や葉面上で作られる抗酸化物質を、レモンが吸収しているためです。
農薬や化学肥料を大量に使うとこれらの抗酸化物質が少なくなってしまうため、栄養バランスの悪いレモンになり日持ちが悪くなります。
状態の良い場所(悪玉菌の少ない場所)においておくと、全く腐らずしなびていくだけです。園地では3月に完熟になったレモンが落下して土の上で9月まで腐らなかったこともあります。
私が若いころに学んだ柑橘類の教科書は、ある側面から見ると今の時代に合わなくなってきています。それは作ることの方向だけしか見ていないからです。
相手(食べる人)の事を考えてないんですね。
相手の立場に立って、食の安全性の方向から作ることが必要な時代なのです。
安全性を語るには作る過程を明確にする必要があります。
お客様からよくお電話をいただくのですが、違うところで買っていたけど色々質問をしてみると全然答えれないのでおかしいなと思い聞いていくとそこでは作ってはないただ仕入れているだけだとか・・・
それでは責任も持てないですからね。
また有機栽培では20数種類の有機農薬を使うことが許されています。
見えないところでハードルを下げなければ、実際に作るのは難しいということです。
ポストハーベスト農薬も元々は3種類だったんですが、今では5種類になっているんです。それはなぜかというと耐性菌ができてしまったからなんです。
フードマイレージを小さくしない限り、さらに種類が増える懸念もあります。
完全無農薬という表現は本当は好きではないのですが、有機栽培と表現するより今の段階ではよいと思っています。
認証団体の判断もまちまちで、安全性のためなのか企業利益のためなのかわからない部分もあります。
例えば雑草の話、虫の話などは説明できる人はあんまりいないんですよ。その説明ができるということが一種の認証です。
つまりお客様に認証団体になっていただいているようなものです。
無農薬レモネーディア
昭和40年代の品種を当園の無農薬技術で復刻しました。
当時、こんなものは売れるわけがないといわれて消えていった品種ですが、歯ごたえ、香りがとてもいいため、河合果樹園でずっと試作していました。
お客様からの要望で、H22年に本格販売にこぎ着けました。温室の中で根域制限をして完全無農薬を実現しています。
レモネーディアなんかは最初の頃、八百屋さんだとかいろんな人に食べてもらったんですが、みんな口を揃えて「こんなのは売れない!」って言ってましたね。
これも徐々にファンが増えていき今では人気商品になっています。今の人は肉体労働が減ってきているからなのか酸っぱいのをあまり求めないんですよね。
※レモネーディアはレモンなのに酸っぱくなく、剝きにくいですが手で皮がむけるという特徴がある。
3年前から初恋レモンというブランドでいろいろな加工品も販売しています。生のレモンだと健康に興味を持つ40歳後半の方が果樹園のお客様です。
しかし、ジュースにすると若い子たちも関心を持ってくれて、食農教育の入り口になってくれています。思わぬ誤算でした。
ただこれは皮ごと絞ってあるので、好き嫌いはありますね。もちろん添加物は入っていませんので安心してください。(笑)
【関連記事】
河合果樹園 代表 河合浩樹
〒441-3105 愛知県豊橋市中原町字南37-1
TEL 0532-41-2033
FAX 0532-41-2072
9月下旬~12月 無農薬グリーンレモン ¥2300(税込み、送料別)
1月~4月上旬 無農薬フルーツレモン ¥2600(税込み、送料別)
お送り先とケース数を明記の上メールまたはFAXでお申し込みください。
売り切れや季節限定の場合もありますのでお電話でご確認の上お出かけください。
豊橋、浜松方面の方は フードオアシスあつみ
豊田、岡崎方面の方は スーパーやまのぶ
河合果樹園ネットショップはこちらから⇒河合果樹園
河合果樹園のホームページはこちらから⇒河合果樹園
「虫たちと作った世界に一つだけのレモン」 朝日新聞出版 河合浩樹著
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。