「健康道場 日々花家(ひびはなか)」主宰の松尾万葉香さんによる連載コラムです。
今回は、私が西式健康法と出会い、健康道場をつくるに至った経緯と、この場所に込めた思いをお話しいたします。
私が西式健康法に出会ったのは2011年、きっかけは、甲田光雄医師の「少食の実行で世界は救われる」というご著書でした。(甲田医師は、西式健康法の創始者、西勝造先生のお弟子の一人で、ガンなど数々の難病の治療に多くの実績をあげた方です。)
この頃、自分を見つめなおそうと新卒以来勤めた会社を辞めて、ぼーっと人生を考えていました。
何をして生きていこうか、何をしたらこの問題だらけの社会に貢献できるのか、考えても考えても、結局どう生きたって、環境問題や食料問題の一端にならざるを得ない自分という人間の存在に、私っていないほうがいいのでは?なんて思うまでに自信を失っていました。
そんなときに、甲田先生の、人類みんなで少食を目指すことで、心も体も健康になり、ひいては地球全体が平和になる、という思想を知りました。
現代はみんな食べ過ぎていて、それが多くの心身の病気のもとになっていること、少食や断食で不治といわれている病まで無くなってしまうことがあること、世界中が少食になれば食料も足りること、食は心と繋がるので、少食を通じて貪りを離れることができ、自然やすべての命に対する慈愛の気持ちが育つこと、そうして世界から争いがなくなるのではないかということ…。
そんな道があったのか!って、ビビビっと雷にうたれたような気持ちになりました。
単純にも、「私、西式健康法の指導士になる!」って即決していました。笑
少食の実行で世界は救われる 甲田光雄
健康な生き方
それから西式健康法はもちろん、「健康な生き方」というテーマに、あれこれ勉強したり自身の生活を変えていくなかで、身体はもちろんのこと、価値観や社会の見え方、人生観までも、大きく変化していきました。
自分を飾る必要がないことに気づき、お化粧や立派な服が要らなくなりました。
それ以外にも、必要だと思っていたものはほとんど、この超資本主義社会による啓蒙活動(?)の産物だということに気付き、要らなくなりました。
なけなしのお金は、信頼できる、応援したい生産者さんやお店屋さんにだけ渡したいと思うと、買うものも限られるようになりました。
そうして生活がどんどんシンプルになり、それは、ラクちんで気持ちがいいということに気づきました。
そうしていると、身体の感覚が育ってきて、それに自然に従えば、だんだんと心身が整うことが少しずつ分かってきました。
日々のなかで土や草木に触れる大切さをひしひしと感じるようになりました。
この過程がとても楽しくて、毎日新鮮な発見の連続で面白くって、気がつくと、はからずも、満たされた幸せな気持ちがどんどん深まっていきました。
これが、甲田先生の言っていた方向性なのかなって、少しずつ実感が出てきました。
現代は、健康に生きるのが、とても難しい時代ですね。
食事はもちろんのこと、空気、水、家、生活様式、電磁波、寝具、衣類、洗剤、子育てグッズまでも…もう挙げたらきりがないほど、不自然で、人体に害のあるものが溢れています。
どうしてこんなことになってしまっているのか。
国のせい、企業のせい、資本主義のせい、等いろんな見方があり、また、そこには国・業界を問わず共通した残念な構造があるように思います。
社会の根本的な構造の問題…じゃあどうするの??
色々なアプローチがあると思います。
そんな中で、私は、消費者としての私たち一人ひとりの暮らしの輪を広げる草の根活動ができたら…と考えました。
道場に来てくださった方が、健康を目指して生活を見直し、日々の選択を変える、そしてそれらが積み重なって、未来の子供たちが健康で生きていける社会につながっていく、そんなふうな場をご提供できたら、と。
私もまだ、模索中です。
未来につながる健康的な生活といっても、便利な技術やインフラを離れて仙人のような暮らしをみんなでしたら良いのか?というと、なかなか現実的ではないと思います。
じゃあ現実的な解とは?つまり、現代社会に生まれてきた私たちが、より良い社会にシフトしていくために、無理なく気持ちよくできる生活ってどんなの?
その答えを探す場として、日々花家 を作りました。
そんな考えなので、私は西式健康法が好きなんですね。
西式は、お金がかからない、特別なものが要らない、環境負荷もない、簡単で誰でもできる、しかも科学的に理に適っていて、実際身体が良くなる、総合的な生活の指針になりうるものだと思うのです。
さて次回は、「西式健康法とは?」を改めてご紹介したいと思います。
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松尾 万葉香(まつお まよか)
西式健康法を中心とした、生活法・養生法の指導をしています。
自然と調和した生き方を模索しているなかで、西式甲田療法と出会い感銘をうけ、指導士となりました。
その後、さらに身体についての理解を深めるため、アーユルヴェーダやヨガ、基礎医学などを学び、「健康道場 日々花家」をオープン。
現在は、1児の母として子育てに奮闘しつつ、講座や養生相談などを行っています。
(西会 西式一級司教、TAJ アーユルヴェーダライフアドバイザー)
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。