愛知県武豊町で一番初めに味噌たまりの醸造を始めたとも言われ、オーガニックたまりで知られる丸又商店さんにお話を伺ってきました。
前回の記事⇒大豆の量が多いたまり醤油は、旨味成分が非常に高いのが特徴
丸又の看板商品である「オーガニックたまり」「尾張のたまり」、そして「丸大豆たまり」は、麦類(小麦、大麦)を一切使用しないで、造った商品です。
麹を作る際、わずかなデンプン質(小麦、大麦)があると、作業性もよく良い麹が出来上がります。
丸又では、長年の研究で麦類を使用しないで良い麹を作る製法を確立しました。
オーガニックたまり
有機JAS認定(認定機関:OCIAジャパン)
小麦は全く使用していない大豆100%のたまりです。小麦アレルギーの方にも喜ばれています。
桶底から滴り落ちた液体を集め、火入をし、充填したものがこの商品です。
麦類(小麦、大麦)を一切使用しない
ーーー小麦を入れると熟成しやすくなるんですか?
小麦を入れると、たまりに関していえば麹を作りやすい。濃口醤油の中の小麦の役割といえば甘味があったり、香りがあったりします。
半分の大豆は分解されてアミノ酸に変わっていきます。それが半分、半分あるのが濃口醤油。
普通の濃口醤油はそれが半分、半分なので蒸しあがって小麦を半分混ぜてしまうので簡単と言えば簡単なんですね。
大豆に水を吸わせて蒸すのですが、大豆に水を吸わせた時に水を吸わせすぎると大豆を蒸した時に大豆が柔らかくなってしまい、水が少ないと固くなってしまう。
濃口醤油だと大豆を水の中に一晩漬ければいいんです。後で小麦を半分混ぜるのでそんなにシビアではないんです。
しかし、たまりの場合は水が数%変わっただけでその後の工程がガラッと変わってしまう。
なので夏場と冬場で勿論時間も違いますし、一番最初の工程の中では大豆に水を吸わすのは難しいところなのです。
麹の出来で味は変わってしまうのですごく大事なんです。
なのでウチは大豆を炒って砕いて、その砕いたものを使っています。
本当に大豆100%でやっています、それをやっているところは全国でも他にはないと思います。
この大豆を炒ったものを使い始めたのは15年前くらいなんです。
麦類を一切使用しないことで、小麦アレルギー、グルテンアレルギーの方にも安心して使用していただくことができます。
工場内には、他社より購入した小麦が入った買い入れ醤油はありますが、原料としての麦類(小麦、大麦)は一切存在しません。
私たちは、1829年より愛知県知多半島の武豊町にてたまりをつくりはじめました。
本物とは何か?本当に喜ばれる “たまり” とは何か?
試行錯誤を続けて今日まで200年近く営業を続けてまいりました。その深くコクのある味わいは、国内はもちろん、海外から好評いただいております。
私たちの たまり を知っていいただき、その魅力を感じていただければ幸いです。
【前回の記事】
創業文政12年 たまり・味噌醸造元
丸又商店(まるまたしょうてん)
購入できるサイトはこちらから⇒丸又商店
〒470-2544 愛知県知多郡武豊町里中152
TEL 0569-73-0006 ・ FAX 0569-73-3917
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。