健康の基本は日々の生活と医学以外(代替医療)にあることに気づき、予防医学の重要性を説き続ける医学博士・脳神経外科専門医「田中佳先生」にお話を伺ってきました。
ーーーワクチンの話を聞きたいんですが、そもそもワクチンは意味がないって言われていますがどうでしょうか?
意味がないではなくて、こうやって考えると意味がないよね。例えば破傷風のワクチンが四種混合に入っています。
破傷風菌は日本中の土の中にいます。だからいつ感染するかわからないっていう恐怖があるでしょ。
感染が発症すると、痙攣したりして中には死ぬ人もいるよっていう不安を煽るわけです。
だから打とうってなるんです。正しい理解をするっていう事をしないとそれに煽られてしまうんです。
正しい理解とは何か?
破傷風菌は日本中の土の中にいます。だからって、農村部に発症例が多いかというと、そうでもありません。
どこの土にいるかって言うと酸素がない深いレベルの土です。なぜならば嫌気性菌で酸素に触れると生きていけない菌だからです。
芋掘りをして、いもを外に出したからといってそれについている破傷風菌は酸素に触れると死ぬんですね。
だから芋ほりをしたところで何もないはずなんですよね。
酸素に触れるっていう環境があるかぎり破傷風になることができない。だから感染して発症するためは、酸素に触れないまま破傷風菌を体内に入れなければならない。
だから土の中に埋まっていた古釘を踏み抜いたってのが一番多いんです。
農家さんが使う農機具とかね、埋まってた廃材とか、干し草をかくようなやつをふんじゃったとかね。
土がウェットな状態であって、そこで農機具を踏み抜いたら貫通しますよね、中にいた生き残ってる菌が酸素に触れずに生き残ったやつがそのまま入ってくる。
そういう条件を満たすって事でなるんです。
破傷風と言うのは菌が出す毒素によって起こるんです。Oー157のベロ毒素みたいな奴です。
だからワクチンは毒素に対するこう毒素ワクチンなんです。だからワクチンでしか免疫がつかないってのはそうなんです。毒素がない限り免疫を作らないから。
感染、発症しないかぎり免疫は作られないですから。それだと遅いわけです。蛇に噛まれたあと蛇の抗毒血清を打つでしょ?よくアメリカとかでね。
だからその時で間に合うという事なんです。感染の機会が発生した時に打てばいいってことなんです。
ーーーその時はやっぱり打たないと、治らないんですか?
それだと、発症を起こさせる可能性はほったらかしになりますよね。それはやっぱり人道的に問題があるから、その可能性があるなら打ったほうがいいと思うんですよねー。
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田中佳(たなか よしみ)医学博士・脳神経外科専門医
東海大学医学部を卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
大学在任中に悪性脳腫瘍に関する研究にと医学博士を取得。
日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学会認定専門医。
現在は脳神経外科診療(保健医療)を行いつつ、予防医学の教育講演活動に取り組んでいる。
田中先生のサイトはこちらからどうぞ→ 田中佳先生のホームページ
主な著書に「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」「発想の転換で元気に長生き 健康自立力」「続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方‐」「健康の原点は食と腸にある!」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。