難病である脊髄小脳変性症を発病するが、西式甲田療法を実践して克服され、1日に青汁1杯(+少量のサプリ)で元気に過ごし森鍼灸院院長、断食道場「あわあわ」をやられている森 美智代さんにお話を伺っています。
前回の記事はこちらから⇒断食をすればデトックスモードに入るのは間違いない
ーーー鍼で見て患者さんの気の流れがわかるのですか?
私の鍼は絡治療経といって三千年前とか五千年前の古典(黄帝内経素問霊枢・難経)の流儀でやっています。
手首の橈骨動脈の脉診をして気が虚している、邪気があるというのを調べて、邪気がある場合は抜いて瀉法をして、気が少ないとき虚しているときは入れて補法を行うというような鍼をしています。
マッサージや指圧と違って、指先で鍼を動かすだけなので腕力はいらないです。
ものすごく繊細な脈診なので、重いものをもって手がガタガタ震えるようなことや豆ができるようなことがあったら脈診が出来なくなるので「箸より重たいものを持つな」くらいの感じで指先は大事にとお師匠様から言われるくらいです。
ーーー脈診で病気は分かったりするんですか?
この人はどこが弱っているのかはわかります。私のお師匠様は高知におられますが、目が見えない先生で、その先生に弟子入りして脉診と鍼を習いました。
お師匠様の弟子だから高知に住もうかなと思ったら、「みっちゃんは甲田先生の近くにおりなさい」って言われました。
それで「え~~」って(笑)
ーーーそこは「え~~」なんですか。。
いや甲田先生のお傍にはいたいのですが、鍼のお師匠様の弟子になるには遠すぎる気がして、「ちょくちょく習えない」と思っていました。
それで分からなくなったら電話をかけてその都度お師匠様に聞くという感じで教えていただきました。
甲田先生のところから来る患者さんは難病が多いので、卒業したてで難病のパーキンソン病の人が来られたり、どこに鍼を打てば?と戸惑っていました。
病名によってツボがあるわけではなくて、脈を見てその脈が教えてくれている場所に鍼を打てばいいのだけど、おぼつかない、初心者なので、「どうしたらいいでしょうか」と先生に聞いたら、
「それは肝の変動で肺も悪いから、肺と肝のどちらかが主証で、脉を見てやりなさい」と教えていただいて、その通り施術すると2人がかりで担がれてきたパーキンソン病の方が鍼を打ったとたんにシャキーンとなり帰りは歩けるようになるなど効果は素晴らしかったです。
それが口コミになって、甲田先生の帰り道患者さんが来られるようになりました。お陰様で難病の方をいっぱい見るようになりました。
断食中の患者さんや、生菜食している方の鍼もさせていただいていましたが、普通の鍼灸院だったら断食は血が少なくなるので、
脳貧血やフラフラして目が回るみたいなことがあると困るので「断食をしている方には鍼はできません」とお断りされることが多いと思います。
断食を助ける鍼
お師匠様は甲田先生みたいにご自分で断食を3週間くらいやるとか、患者さんにもさせるような鍼灸師だったので、
「お師匠様のところに来られる患者にはどのような治療をされているのですか?」とお尋ねすると
「断食をしている時に鍼を打ったら全然お腹も空かないしフラフラもしないし、元気なんだよって、断食を助けるような鍼があるんだよ」と教えていただきました。
それを教えていただき、甲田先生の患者さんで断食が続けにくいような弱い体質の人に施術させていただき喜んでいただきました。
ーーー断食に向いていない人でも鍼をやることによって巡りを良くするということですか?
そうです、断食中は胃腸を使いませんよね、いつも色んなものを食べて動いたり消化液も出したりしていて、大変胃腸や内蔵を酷使していますが、
断食中は何も働なかくていいのだと思うくらい働かないので、体もそんな働かないところにエネルギーはまわさなくていいと、エネルギーの流れを変えて免疫を上げたり病気を治す方により生命力をシフトさせていくと思います。
元々胃が悪い人は、胃潰瘍、胃弱、胃炎だとかそういう人は食べないからといってエネルギーがまわらなかったら胃が痛くなったり、出血したり、腸が詰まったりする可能性があります。
ですから胃腸が弱い人は本当は断食をさせてはいけなくて、丈夫になるまで断食をさせずに玄米クリーム食を続けて胃腸が良くなったら断食に入るという過程を踏みます。
もっと早く治りたい場合はプロの手を借りて胃腸が悪い人で断食をしたかったら断食中に気がなくなる脾経に補法をして胃腸に向かって気を入れる鍼をしてあげたらお腹も痛くならないし、宿便も出やすいし、瞑眩も少なくて、楽に断食ができます。
いつも断食中に気持ち悪くなる人が中断せずに満願を迎えることもありますね。
ーーー鍼打つときに気を込めてやってらっしゃると書いてあったのですが?
そうです、私は鍼刺すといっても接触くらいなのでほぼ気ですね。
【関連記事】
断食と超小食(青汁と少量のサプリメント)で難病である脊髄小脳変性症を克服
森美智代
鍼灸師。大阪府八尾市にある森鍼灸院院長。
短大卒業後、養護教諭として勤務中に難病である脊髄小脳変性症を発病するが、西式甲田療法を5年間実践して克服。
その後、鍼灸師の免許を取得し、森鍼灸院を開業。
1日に150ccの青汁と少量のサプリメントをとるだけの生活を20年近く続けている。
森鍼灸院のサイトはこちらから⇒ 森鍼灸院
2015年、三重県名張市に「断食道場あわあわ」を開業(所在地:三重県名張市瀬古口231)。
主な著書に「断食の教科書 (veggy Books)」「「食べること、やめました」―1日青汁1杯だけで元気に13年」「「おうち断食」で病気は治る (週1回で奇跡が起こる)」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。