看護師や療法家を含む医院・施設専属のクリニカルアロマケアチーム タッチケアサービスさんによる連載コラムです。
先月【産後ケアに中医学を取り入れることのすすめ】の記事より、中医学の魅力を発信させて頂きました。
アロマ
今回は引き続き、中医学の魅力から、
中医学(中国伝統医学)の思想に【天人合一】が根本にあるため、自然植物から作り出されているアロマを身近な人間の日常生活に取り入れていく考えは、ごく自然体なことで、当り前のこと。
昔の人は、お腹が痛くなれば、野山から薬草をとってきて、煎じて飲んだり、庭にある草木をとってきては、傷口につけたものです。
また、その薬草を燃やしては、虫よけにしたり、香りによって、病気を治したこともあるでしょう。
これは、昔も今も繋がる話であり、それぞれ製造過程が違えども、現代でいう漢方薬・ハーブ・お灸・お香・アロマなどの形となって、とても使いやすく、私たちの生活の一部になっています。
よもぎ・どくだみ・アロエ・たんぽぽ・紫蘇・生姜・銀杏・花梨・スベリヒユ・びわの葉・・・などなど。
先人は、昔から身近にあるものをいろんな方法で、人間が生きる知恵の一つとして、五感をフルに活用し、自然と身につけていました。
しかも、親から子へ知恵が自然と伝わり、それが地域全体にも繋がっていました。
アロマの特徴としては、香り。いろんな効能がありますが、重病で医師からの禁忌がでていない限りは、香りは身体の気を巡らす・気を補う・デドックスのサポートとなります。
例えば、食欲がなく、元気がない時でも、香りだったら、すんなり取り入れやすいものの一つです。
よって、中医学で観る身体の基本物質である【気・血・水(津液)】のバランスが調和されていくと考えます。
つまり、その人にとって、必要な身体のバランスが取れていくことになります。
アロマでも、いろんな匂いがあるものの、現在、自分が欲する匂いが、その時点で一番合う香りと捉えてもいいでしょう。(もちろん、取り扱いには注意が必要です。)
これは、ハーブでも同じことと考えています。
ただ、落とし穴のとして、現代人の五感が昔の人に比べたら、劣ってきていることやその先人の知恵が薄れてきていることです。
使い方を間違っていたりすると、いい薬が毒に変化してしまう場合もあるのです。
そんな時、大きな助けとなるのが、中医学の知恵やアロマの知識だったりします。
中医学は、病気=薬ではなく、人そのものを捉えて観て、体質や身体の状態を知ることをまず大事に考えていきます。(弁証論治)
それには、その人を取り囲む環境や年齢、性別、地域性まで含めて、人まるごと観ていくのです。
特に養生を大切にしなくてはならない産後の時期に、アロマと中医学を融合させた産後ケアを取り入れていくことは、香りとともに頑張った出産の疲れを癒していきます。
また気血精を消耗しきっているママにとっては、香りによって、気血精のバランスが調整されていくきっかけの一つにもなります。
何よりも、アロマを通じて、人の手でタッチングすることで、心がホッとして穏やかになっていきます。
そして、おのずと、呼吸も楽になっていき、それが全身の気血の巡りにも繋がって、自然と自己治癒力も高まっていきます。
その結果、産後のさまざまな不調のケアのサポートにも繋がっていくことでしょう。
文:タッチケアサービス講座・中医学担当 山口恵美
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