予防医学の重要性を説き続ける医学博士・脳神経外科専門医「田中佳先生」にお話を伺っています。
がんは何らかの役割を担って存在しているんです。がんにならざるを得なかった理由はなにか。
もしかすると、本当はなりたくなかったのかもしれない。
【前回の記事】
がんの能力を見てみると、とてつもなくて、抗がん剤がくると次にどんな抗がん剤がきても受け入れませんというバリアが張れるんです。
解毒装置を膜表面に設置するんです。
テロリストが1人入って来たら、ありとあらゆるテロリストを防御できるシステムを持つみたいになる訳ですよね。
どんな抗がん剤にも対応できるシステムを持っている。 だから、もしやるなら一発です。二発目、三発目は効果は期待できないですからね。
1クール目でやれば、休薬中に多分バリアが作られているだろうから、2クール目は効果を出せないだろうなと。
もし死滅させたとしても、沈黙の後に一気に増殖するのをけっこう経験しているんです。
我々はこれを怒ったと表現しているんですね。
「ガンが怒った!」
怒らせないにはどうすればいいか? これは刺激しないことなんです。 手術、放射線、抗がん剤だとか何かでやってしまうと怒る。
攻撃を仕掛ければ防御してきます。まあ、当たり前ですよね。だから手術するときは、がん細胞に気づかないように根こそぎとらないとだめなんです。
今いる部屋を移動するのに大揺れしたり、壁が壊れたらやばいと思いますよね。
でも、半径50mがゴッソリ移動していたら、「なんか、揺れたね」くらいで済むみたいな感じかなと。
だから部分摘出なんかは怒らせるだけだろと思います。がんを叩くということは危険なことだろうと思えるわけです。
がんの能力
ーーーそれでも抗がん剤は打つんですか?
マニュアルですからね。医者は疑いませんし、マニュアル通りに行動しないと自分の身が危なくなります。
それほど、学会の力は大きいし、司法がそれを支持しますから。
あと、がん細胞は転移先を予約しているらしいです。マーカーになる物質を放出してるのだとか。
転がっていった細胞がそのマーカーを頼りに転移先とする。
例えば今住んでいるところが住めなくなりました、次にどこに住もうかという時に先にマーキングをしている、ここのマンションが空いているよみたいにね。
もし自分がやられた時に転移先を見つけているんですよねえ。なんてこったいです。
ーーーがん細胞的には生きたいからなんですか?
がん細胞は何が何でも生き延びなければならぬというシステムを持っているとしか思えません。
あと、無限増殖するっていうでしょ?
細胞分裂するときにテロメアっていう部分が短くなっていって、無くなると分裂出来なくなるということになってますが、がん細胞はこのテロメアを修復して死ななくなっている。
だから不老不死の能力を持っているみたいです。
これらが元々自分の細胞が持っているということがすごいと思いませんか?
自分の全ての細胞が持っているDNAの、眠っている部分をONにしてがんの能力を発揮しているんです。
言い方を変えると、我々の全ての細胞はテロメアを修復する能力を持っていて、ONにすれば不老不死になれるし、あらゆる毒物を排除することもできる。
潜在能力は果てしないなぁと思うのですが、なぜOFFなんだろう。寿命が尽きるように設定されている理由があるのでしょうねえ。。。
他にも色々な防御能力を持っていまして、こういうことを一つ一つ重ねていくとがんには到底太刀打ちできないと知ってしまったんです。
これは無理だなと(笑)
ですから、がんを倒すっていう考えが根本的に間違っているんだろうとおもうのですよ。
なぜこの子はいるんだろう? なぜこういう変化をしたんだろう? なぜ我々が営んでいる生活をやめて「がん」という道を選んだんだろう?
好きで選んだというよりは、もう「がん」を選ばざるをえなかったという意思を持っているのだろうと。
ホメオパシーから変なお話しになりましたね(汗)
【関連記事】
田中佳(たなか よしみ)医学博士・脳神経外科専門医
東海大学医学部を卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
大学在任中に悪性脳腫瘍に関する研究にと医学博士を取得。
日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学会認定専門医。
現在は脳神経外科診療(保健医療)を行いつつ、予防医学の教育講演活動に取り組んでいる。
田中先生のサイトはこちらからどうぞ→ 田中佳先生のホームページ
主な著書に「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」「発想の転換で元気に長生き 健康自立力」「続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方‐」「健康の原点は食と腸にある!」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。