予防医学の重要性を説き続ける医学博士・脳神経外科専門医「田中佳先生」にお話を伺っています。
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ーーー今のような考えになったそのきっかけはなんだったんですか?どのくらい前に?
そのきっかけがEMなんですよね。19年くらい前です。
医学的には100%死ぬ確信があった後輩の担当患者さんで超重症肺炎の患者がいまして、本当に医学ではお手上げの状態だったので、医療としては何もしてなかったんです。
あ、酸素はしていましたけれど、胸部X線写真でも肺全体が真っ白で(肺全体に重度の肺炎像)、100%酸素投与でも酸素飽和度(赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合のことで、酸素飽和度が90%以下の場合は肺機能の低下と判断する)が70%台だったんです。
ご家族さんが「医学でどうしようもないのでしたら、これを」ってEMの飲み物を持ってきたんです。
担当医は後輩だったのですけどね、何か渡されたけどどうしましょうって。こんな水で治ったら医者は要らないよねって。まあ医者としては当然の反応です。
表示を見ると微生物エキスとか書いてあって、うわ~って思っていたんです。
まあどうやっても助からない訳だし、清涼飲料水と書いてあるし、最後の家族の願いを叶えようよってことで、看護師さんこれちょっとやっといてって、1日30mlって書いてあるからよろしくねって。朝、昼、晩10ずつ入れてもらったんです。
すごい汗
入れ始めたその晩からですよ、すごい汗が出てくるんです。 誰かが水をかけたようにビッショビッショで汗がしたたり落ちているんですよ。
おでこの汗を拭いて、おでこをじーっと見ていると玉の汗がどんどん出てくるんです。それらが繋がって流れ落ちる。
汗が湧き出るのを始めてちゃんと見ましたけど、ビックリしました。 当たりまえなことですけど、熱が出るということは放熱ですからね、解熱するんですよ。
なんだか、みるみるうちに熱が下がっていって、その内に呼吸状態が収まっていくんです。 ふと気づくと死にそうじゃあないじゃないですか。
じゃあ、レントゲンをとってみよう!ということになって、胸部X線写真を撮ったら・・9割肺炎像が治っていたんですよ! たまげましたよ。
技師に写真を取り違えただろう!って確認しましたけど、本人でした。
それまで、たったの4日なんですよ。これに驚きましたね。だって、経験的にも近日中に死ぬ確信があったんですからね。 50階のビルから飛び降りたら死ぬよね。そのくらいの感覚です。
でも死なずに生きているじゃないですか、ってゆうか、良くなっているじゃないですか・・・
あまりにも衝撃が大きかったんで・・一体この水はなんなんだと・・ほんとに医者、要らなかったじゃんって(笑)。
比嘉照夫という農学博士
どう考えてもこれは偶然ではないと思ったので、先ずはこれを作った人を調べると比嘉照夫という農学博士で沖縄の琉球大学の教授だったんです。
農学博士? なんで?って思いました。 で、講演会があったから行ったんです。
そしたらすごい本音トークで常識をバッサバッサとぶった切ってスカッとする話なのに、根底には人々へ社会へ愛が満ち溢れていたんです。
この人、本物だって思いました。 その時に出た言葉の中でね、「人の不幸で発展する産業が増えてはならん!」って言ったんですね。
そう言われたらそうだよね。そうだー!いいこと言うな~! 例えば弁護士、そうだそうだ! 警察、そうだそうだ! 医者、えっ俺?俺って人の不幸で飯を食って・・食ってんじゃんって。
悔しいけど否定できませんでしたね。
でもそれなかったら困るでしょ? 警察いなかったら困るし~、弁護士いなかったら困るし~。
わたしは脳外科医ですけど、手術で元気になった人がいない訳ではないし。まあ、それらが発展するような構造はいけないよって意味だったらわかるので、一応は納得しました。
でもね、何か自分の存在価値を否定されたような気分になったんです。
最初はすんなりと受け入れられなかったです。 でもふと思ったのが一部の開業医の記憶が甦りました。
豪邸に住んで、高級車に乗って、料亭で豪遊して、毎週ゴルフへ行くっていう開業医のことをね。
あ、あいつだって思った。それが悪いってことじゃあないですよ! 僻みからかもしれないけど、確かに人の不幸で贅沢しているって思ったんです。
人々の健康について語った医者が1人もいなかった
奥さんはキンキンキラキラでね、ゴルフして首が痛いとかで外来受診するわけですよ。 いろいろ思い返すとね、医者になってからね、人々の健康について語った医者が1人もいなかったんですよ。
手術技術とか、ゴルフのスコアとか、収入とか、経費削減とか、それが医者の興味なんですよ。 あっ!と思う訳です。
その時に、その医者らを失業させなきゃいかんって思ったんです。自分を含めてね(笑)。
で、なにが重症肺炎を治したのかって検証していったら、単純明快な答えしか導き出せなかったんです。 自然治癒力。 当たり前でしょ?
そんなことに気づかないんですよ、医者って。
でも、医学生や看護学生時代に気づいた人もいるので、わたしは超遅咲きでした。
後は、EMってなんだ?って調べていたら、何か菌がすごいってことが分かってきました。元々は土壌改良材で開発されていて、農作物が元気になるなら人もなるのではないかということらしいです。
実際に腸内細菌と人体の関係性は、土壌菌と農作物の関係性とそっくりなんですよね。
とても大切な共生相手なんですね。 その善玉菌の集まりが作ったものを抽出したものがさっきのエピソードで使ったものです。
元の液体は菌だらけなので法律的に飲み物にはならなくて、仕方なく抽出したと聞いてますけど。
その商品名にXがついてまして、未知の物体X?? 抽出されたものを調べても薬剤のように特定の成分がドーンとはなくて、これという物質が特定できなくて、種々雑多でよくわからなかったっていうことらしいんです。
あ、EMって善玉菌の集合体って意味合いです。
私がEMを好きな理由
自分の人生を大きく変えてもらえたからですけれど、良い結果が目で見えるし、比嘉先生の人柄と本音トークを好きになったからですね。
これ、知れば知るほど面白いし、奥が深いです。 そんなEMとの出会いなくして今の私は無いといっても過言ではありません。
まあ、EMが全てだとは言いませんけどね、光合成細菌を主軸にしているのはなかなかなくて、EMだけかな、まあ光合成細菌がEMの不思議現象の中心的役割なのが面白いです。 話せば長いのでおしまいです。
EM(通称:EM菌)は
Effective(有用な)
Microorganisms(微生物たち)
の英文の頭文字に由来しています。
その名の通り、特殊なひとつの菌ではなく、乳酸菌や酵母、光合成細菌など、どこにでもいる微生物で、人間にとっていい働きをしてくれる微生物の集まりです。
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田中佳(たなか よしみ)医学博士・脳神経外科専門医
東海大学医学部を卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
大学在任中に悪性脳腫瘍に関する研究にと医学博士を取得。
日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学会認定専門医。
現在は脳神経外科診療(保健医療)を行いつつ、予防医学の教育講演活動に取り組んでいる。
田中先生のサイトはこちらからどうぞ→ 田中佳先生のホームページ
主な著書に「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」「発想の転換で元気に長生き 健康自立力」「続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方‐」「健康の原点は食と腸にある!」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。