予防医学の重要性を説き続ける医学博士・脳神経外科専門医「田中佳先生」にお話を伺っています。
前回の記事はこちらから⇒大切な言葉を発するときには心の底から想いを込めるそれが「言霊」
「胃がんの99%はピロリ菌感染がベースにあります。ピロリ菌に感染している人は、感染していない人に比べると、20~30倍も胃がんになる確率が高いとされています。
塩分の過剰摂取といった食生活や遺伝などによる、ピロリ菌に感染していない人の胃がんも0.5~1%は残るものの、ごくまれといっていいでしょう。
現在、日本は胃がんの最多発国といわれていますが、今後、感染率の低下が進めば、並行して胃がんもまれになっていくと思います」
「同様に、ピロリ菌に感染している若年層に多かった十二指腸潰瘍や、若い女性によく見られたスキルス胃がんも少なくなりつつあります。
今後、ピロリ菌感染率が顕著に低下すれば、日本では病気の種類や勢力図までもが変わってくるはずです」
引用:胃の一生はピロリ菌に感染しているかどうかで決まる
ピロリ菌
ーーーピロリ菌が胃がんの原因と言われていますが・・
言われてはいますね。医学はすぐに言いますよねえ。しかも99%は医学界では高すぎますよね。ほぼ断定。この数値だけで捏造やら誘導を感じるのはわたしだけでしょうか。。。
除菌した人としてない人で、本当の意味で比べることができるなら胃がんが減らせると言えますけどねえ。本当の意味で、は、絶対にできないので、ねえ。
胃の痛みなどもピロリ菌が原因と言われていますが、そうとは限らないですよね。他の原因ももちろんあるわけです。
ピロリ菌の感染を減らせば胃がんの発症を減らせるという可能性に過ぎないわけですから。
まあ基本的に医学は短絡思考なので、例えば がんがいた! ピロリ菌がいた! だからこれが犯人だ!となってしまうのです。鬼の首を取ったかのように(笑)
ピロリを除菌して胃がんが減ったというデータがあったとしても、除菌と同時に、その人が、玄米菜食に切り替えたかも知れないし、健康飲料を飲み始めたかもしれないし、ジムに通い始めたかも知れない。
その人の背景を一切無視したデータを鵜呑みにはできません。
除菌した人が100%胃癌にならなかった訳じゃないし、除菌しなかった人が100%胃癌になった訳でもない。
あくまでもデータですから、ふーん、そんな傾向があるかも知れないよね? という程度にしておかないと。「かも」です。「かも」。
あと、除菌することによってデメリットはもちろんあるわけで、腸内細菌はやられてしまいますでしょ。
最大にして最高のパートナーである腸内細菌を壊滅させる=自己治癒力の低下行為は如何なものか、ですね。その辺はわたしの本を読んで下さいませ。
これはよく言うのですが、ピロリが原因だと言うのは、癌の人からピロリが検出されたりするからですよね。
それって、農作物が盗まれて、誰が盗ったんだ! お前だ! と農作業員を犯人にしているのと同じだと思うのです。
だって、国民の85%からピロリ菌が検出されるわけでしょう? いて当たり前じゃないですか。この数値って、常在菌レベルですよね。いつもいる相手を犯人扱いします?
農作業員:毎日いるんですけど(汗)、犯人扱いは困ります(汗)
医者:いやお前がここにいたから、お前が犯人だ!!
現場だけを抑えるからこうなるんでしょうねえ。医学の世界では短絡思考のあたかも原因説はすごくあります。HPVとか肺炎球菌とかもそうですよね。骨髄造血もそうかな。
もしピロリ菌が胃癌の原因だったとしたら、問題は、常在菌のピロリを怒らせたのは誰か? です。
飼われていたおとなしいヒグマに襲われて亡くなった方がおりましたが、いつもおとなしいヒグマを怒らせたのは誰か?何か? ってことです。
平穏な日常ではない、何かがあったと考えた方が理に適うと思うのですよね。。。
ピロリ菌を殺せば胃癌が減るという前提が、既に医学の中ではできあがっているので、ピロリ菌が悪である必要性があるのです。
だから除菌に保険適応がされたのですね。最高12回も除菌していた人がいましたけれど、副作用に苦しんでの除菌でした。お疲れ様です。
そもそも、そこまでする必要があるのでしょうかねえ。再感染率も2割だというし。
除菌が進んでいるので、ご多分に漏れず薬剤耐性ピロリ菌も登場しています。それに伴って除菌率は徐々に低下し始めて、除菌率は8割を切っているそうですし。
また新しい薬剤が開発されて薬剤耐性菌をはびこらせる下地を作っていく。ずーーーっと同じことやってますよね、医学って。
そして、ピロリ菌の感染者は国民の85%という常在菌をですね、コレラや赤痢や腸炎ビブリオとかと一緒にしてはいけないのではないか? と思うのです。
ピロリは胃酸の中で楽しく暮らしているわけなんですが、ピロリの環境が乱されると酵素を出してしまうらしくて、それが胃の粘膜を壊すとも言われています。
ピロリは当然生き残ろうとしています。
生き残りをかけた行動をしているわけで、その結果、胃を壊すことになったとなりますので、ピロリを住みにくい環境にしたあんたが悪いんじゃないの?と思います。
生ゴミを放置していたからハエを発生させた貴方が悪いんじゃないの? なのに、ハエが全滅するまで殺虫剤を大量投与するのが正しいのだ! みたいな。
日経サイエンス2012/10の特集「マイクロバイオーム:細菌に満ちた私」に掲載されているMartin Blaser教授(ニューヨーク大学)は「私も病原体だと思っていたが、実は共生菌だった」とおっしゃってますしね。
細菌学者は共生菌
医学者は癌原因菌
要は、どっちから見たかで、敵なのか味方なのかも違うわけです。表富士と裏富士、どちらが本物か? みたいな感じがしますね。
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田中佳(たなか よしみ)医学博士・脳神経外科専門医
東海大学医学部を卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
大学在任中に悪性脳腫瘍に関する研究にと医学博士を取得。
日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学会認定専門医。
現在は脳神経外科診療(保健医療)を行いつつ、予防医学の教育講演活動に取り組んでいる。
田中先生のサイトはこちらからどうぞ→ 田中佳先生のホームページ
主な著書に「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」「発想の転換で元気に長生き 健康自立力」「続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方‐」「健康の原点は食と腸にある!」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。