今回は南蔵さんの5代目、6代目にお話を伺ってきました。
ーーーまず南蔵さんの歴史を教えてください。
南蔵の名前はこのすぐ近くに大きな屋敷がありますが、そちらが本家になります。
その本家から南に分家したという事で南に蔵を構えたという事で「南蔵」という名前になりました。
本家も味噌と醤油をつくる醸造業をやっていました。
本当に大きな蔵でしたが、世界恐慌で倒産してしまったんです。うちは小さいながら代々がんばって続いています。
ここ武豊は豆味噌・たまりの本場と言われていて、明治の頃だと50件くらい蔵があったと聞いていますが、今は5件ほどになってしまいました。
明治五年(1872年)、愛知県知多郡武豊町で味噌とたまりの醸造頑として産声を上げました。
木桶も創業当時から使ってあるのもあります。木桶も200年くらいは大事に使えば持つと言われているんです。
作り方も昔ながらのやり方を突き通しています。
全て木桶で仕込んでいるのと、天然醸造(温度も自然な気候でやっている)で長期熟成と大豆に水を吸わせたり、大豆を蒸す工程も大事にしていて代々伝わってきたデータを参考にして春、夏、秋、冬で水の量とかも変えないといけません。
天然で作っていますので、春と同じように冬も蒸してしまうと気候で変わってしまうので、今までの知識と経験をいかして気をつけてやっています。
ーーー原材料にこだわりだしたきっかけは何ですか?
4代目の僕のおじいちゃんにあたる方がデータ的、科学的な人で、昔ですと天然醸造なので仕込んだら終わりという感じだったんですけど、科学的なデータを取り入れ始めました。
本当に科学者みたいな人でした。そしてその勉強した知識で、良い物を作るにはいい原料が大事だと言う考えを持っていたんです。
常に身土不二の心を大切に
ーーーその時から原材料は海の精を使うなどしていたのですか?
そうですね。
「常に身土不二の心を大切に現状に満足したくない、もっと良い物が造りたい。」の思いから、国産の自然海塩「海の精」を使った仕込みを始めました。
ミネラルが多く塩分濃度が低いので使用量も通常より多めになりますが、仕上がりはとてもまろやかです。
もちろん国産大豆100%を使用し、完全無添加なので、詰めるビン、袋の取扱いにも細心の注意を払っております。
匂いでわかる
ーーー麹のできが生命なんですよね?五代目は出来具合いを匂いだとかでわかると6代目に聞きました。
見た目と匂いですね。麹室に入んなくてもだいたいわかります。匂いでわかるんです。
なので6代目にはその匂いを覚えてもらいたいのです。甘い匂いがするんです。
悪い菌がでてしまうと、腐敗に近い状態になるのでやはり酸っぱい匂いがしてしまいます。
だからいい乳酸菌がでるように温度管理を気をつけています。そうすると2日目にはいい匂いがしてくるんです。僕も先代に教えてもらいました。
うちの見学に来る方とかが、「いい匂いするね~」と言われるのが一番嬉しいですね。ということは蔵にいい菌がすんでるという証拠ですから。
よその蔵に行ったりすると、だいたい匂いでわかるんです。
大手さんはクリーンルームみたいな所で作っていますから匂いはないです。
我々は自然相手にやっていますので違います。
3月、4月に味噌を仕込むのは桜や花が咲く頃に一番自然に菌が喜ぶ時期なんですね。
だから我々は代々3月、4月に限定して味噌を仕込んでいきます。
これがGWに入ってしまうと、暖かくなるので空気中に雑菌が増えてしまいます。
うちの味噌は火入れをしないそのままが製品になりますので、その微妙な、繊細な部分が大事になります。
日本の伝統食品である味噌、たまり醤油を守っていきたいと願い、より技術の向上を目指しております。
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昔から豆味噌・たまりの本場といわれました武豊で、代々受け継がれました製法を現在に至るまで頑固に守り、自然の味を造り続けてまいりました。
五代目 青木弥右衛門
購入できるサイトはこちらから⇒南蔵商店 青木弥右衛門
〒470-2544 愛知県知多郡武豊町里中58番地
TEL:0569-73-0046 FAX:0569-73-0091
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。