1986年の創業以来自然栽培を普及し、医者にもクスリにも頼らない自立した生き方を提唱してきたナチュラル・ハーモニーの代表・河名秀郎さんにお話を伺っています。
前回の記事はこちらから⇒自然栽培の野菜のようにクスリを必要としない生き方
【自然栽培の野菜の特徴】
①背が低くて葉が小さいが、バランスがよく美しい
②驚く程根を張っている
③いい野菜は、手にずっしり重い
④実がぎゅっと詰まって、舌触りが繊細
⑤茹でても重さが変わらない
⑥葉や茎の緑色が薄い
⑦茹でると色が鮮やかになる
⑧切り口の色が変わらず、腐りにくい
⑨野菜本来の味で甘ったるくない
基本的には本に書いてある通りで、ブクブクしていなくて大きくない。適正なサイズと言ったほうがいいかもしれませんね。
だから例えば葉っぱが大きくてもその能力がなければ、見た目だけになってしまいますので。
ーーー自然栽培は味が淡白と聞いたこともあるのですが・・
淡白とはちょっと違いますね。一言で言うと爽やかになります。口に入れるとスーと溶けこんで同化するみたいなイメージかな。
もちろん味も甘いですし、ただクドくない。
ーーー根は強くなるんですか?
↑自然栽培が左側、有機栽培が右側
例えば、肥料をたくさんやれば、稲が成長しすぎて倒れてしまうことがあります。
つまり、肥料の栄養分が多すぎて、イネの茎が必要以上に長く育ってしまうんです。
秋の収穫間近に台風の風と雨で、そうしたひょろ長いイネは倒れてしまうことがあるんです。
これは、化学、有機を問わず、使用する肥料の量によっては同じことが起き得ます。
自然栽培稲作農家の桑原秀夫氏がこのように言っていました。
これは本当に変わってきます。有機栽培の稲は台風が来れば倒れてしまい、自然栽培の方は倒れなかったと本では書いてありますが、
稲に関しては品種の特性もあったりしますので、一概には言えないのですが、おおよそは根がしっかりしてるので強いです。
ただ今回みたいに強い台風だと、自然栽培でも倒れてしまうこともありますね。でも倒れっぱなしではなくて、起き上がってくるんです。
ーーー手にもつと普通のと比べて重さも変わってきますか?
肥料はいわば成長促進剤のようなもの
全然ちがいますね、それは生育期間が肥料が施されていると少し早くなるんですよ。
何かに頼らずに育っていく速度というのは自然界に定まっていると思うので、それに任せましょうということでやっていますので地中の中に入っている期間が長いのです。
それはゆっくり育っているということにもなるので、密度がしっかりしているからその分が重くなると思っています。
例えば、トマトだと中に空洞があまりなくなるので、これもシーズンによって違うのですが、水に浮かべると沈む傾向になりますね。
肥料はいわば成長促進剤のようなものだから、速く大きくなる分、バランスが崩れ、隙間ができてしまうのだと思います。
一方、自然栽培のトマトは切っても空洞がない、もしくは少なくなっています。
ーーー葉の緑色も薄くなってくるのですか?
↑ダイコンの葉 自然栽培が左側、肥料を上げた方が右側
例えば最初の苗の時は本当に淡いんですが、育っていく過程で自然に緑が濃くなってきます。
ただその色は肥料を施された緑とはトーンが違います。だから異常に緑が濃い野菜は明らかに肥料成分によって作られた色だなってのがわかる。
これは比較すれば、誰でもわかると思います。ただ、品種で色合いの度合いは違ったりしますので、同じ品種で比べた方がよりリアルに感んじてもらえると思います。
ーーー切っても色が変わりにくい
奇跡のりんごにも書いてあるように、自然栽培のリンゴの切り口は変色しにくい性質があります。
自然栽培の野菜は、一般栽培や有機栽培に比べて切り口が酸化しにくく、痛みにくいと言えます。
これが本来の野菜、果物なんですね、劣化していくことが何かの異常のサインだと捉えていた方のがいいんではないかなと思います。
自然栽培の野菜はとても瑞瑞しくきゅうりなら、ぽきんと折ってすぐにくっつけると、きゅうりの汁で固く接着するほどです。
そのきゅうりをそのまま放っておくと腐ってどろどろに溶けるのではなく、そのままの形でしぼんでいきます。匂いも、腐臭ではなく、甘い匂いがします。まるでフルーツのような。
ーーー自然栽培だと栄養分も多くなってきたりするのですか?
多くなっているというのは間違った解釈ですね。多いのではくて、一般のほうがドンドン低くなっているんです。
例えば、ほうれん草の可食部100gあたりのビタミンC含有量を見てみると、1950年は150mg、1963年は100mg、1982年は65mg、2000年は35mgと驚くべきペースで下がっています。
ニンジンのビタミンA及びビタミンCは50年で約6割減り、キャベツのビタミンB2に至っては9割も減っています。
なので自然栽培だから栄養価が高いのではなくて、それが普通、元々なんです。そこの視点を間違えちゃうとダメですよね。
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河名秀郎(かわな・ひでお)
1958年東京生まれ。國學院大學卒業。
千葉県の自然栽培農家での研修を経て、ナチュラル・ハーモニーを設立し、自然栽培野菜の移動販売をはじめる。
業務用卸売り事業、自然食品店、自然食レストランなどの衣食住全般を統合した「ナチュラル&ハーモニック」を展開、また自然栽培に特化した個人宅配も展開している。
生産者に対しても自然栽培の普及を目的に設立した「
自然栽培全国普及会HP http://www.jnhfa.com
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主な著書に「ほんとの野菜は緑が薄い (日経プレミアシリーズ)」「自然の野菜は腐らない (カルチャー・スタディーズ)
」「野菜の裏側 ―本当に安全でおいしい野菜の選び方
」などがある。
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。