自然栽培の美味しくて安全なイチゴを安定供給する自然栽培農家・野中慎吾さんによる連載コラムです。
まだ道半ばでの話しですが、自然栽培の稲、野菜の他に果樹にも挑戦しています。
最初に手を出したのがブルーベリーでした。
これはあまりにぬかるんでトラクターがはまってしまう畑を借りてどうにもならないので耕さなくてもいい果樹でも植えとくかと思って簡単そうなブルーベリーを選んで植えました。
誰にも期待されず、自分でも木の勉強をさせてもらおうぐらいの感覚でした。
それが大当たりです。
温度と水を意識するだけですごくいい実がとれます。腐ったブルーベリーの実を見たことがないです。
無肥料の良さだけをいかんなく発揮する植物です。それじゃあ他のはどうだろうと
桃、ブドウ、イチジク、キウイと試してみました。
桃、ブドウはかなり手がかかるだろうとみてます。
(斜面で試験中だけどブドウは手がかかりそうです。)
放っておいてできるレベルではないです。
(桃は5年くらい育てたけど途中でその土地を手放すことになり、また最初からやり直しです)
でも果樹に致命的なダメージを与えるカイガラムシがほとんどつかなかったりします。
毎年だんだん木が力をつけていって徐々に良くはなります。
(病斑が出てるね。桃は固いまま熟していき、完熟収穫して追熟して柔らかくして食べるくらい無肥料の桃は別物になります。)
放任栽培しながら果樹に聞く
果樹はさっぱりわからないので果樹を放任栽培しながら果樹に聞きました。
人に聞いてもいいんだけど肥料あるなしで環境はものすごく変わってしまうので聞いたとしても肥料を入れている前提で聞かないと全くうまくいかないことが多々あります。
果樹に聞くと素直に答えてきます。
(2年目のイチジク)
果樹の要望を間違えると枯れます。
(斜面で試験中のイチジク 枯れたところは水が少ないところだとわかってきた)
わかりやすいです。
放任しておくといらない枝が勝手に枯れていきますし、この枝は幹を太くしていくことを邪魔しているなとかなんとなく見えてきてじゃあ先回りして切ってあげればいいのかなとなってきます。
放任でできた木というのは栽培者にとって最高の形ではないです。放任だと実が小さくなります。
(田んぼ作業に夢中になってたら桃が摘果されないでたくさんついてしまったので、一つ一つが小さい)
やはり人が喜ぶサイズまで大きくしたければ摘果や、枝を少なくして、栄養の無駄使いをしないようにしてあげないと自然状態を超えた人にとってありがたい木の形にはなりません。
イチジク、キウイはブルーベリーのような感覚でいけるかもしれません。
(2年目でいい実がなってくれるイチジク)
とにかく強いです。
放任にしておいても病害虫が少ないです。どの木も1年目は少ししか成長しません。
(植えて1年が経ったキウイ)
この土地は果樹には向かないのかなとか思って
弱い木を掘り起こそうとすると地上部の小さい成長に比べて根がかなり伸びている様子でした。
これはもしかしてと思って2年目を迎えると
(いきなり大きくなるので急いで棚を作りました)
果樹は一気に枝を伸ばしてきます。
(キウイの勢の強さは無肥料向きですね)
そして年々成長は進んでいきます。
この傾向はどの果樹にもありそうです。根が整ってから地上部が大きくなるのが自然栽培です。
根がまだ十分な大きさになってないのに地上部を大きく育てることができるのは肥料ですが、その歪みを直さないで育てると病害虫が襲ってきます。
自然栽培は焦らず進めていきましょう。この先も面白い発見があったらまたここに書きますね。
ちなみにまだキウイは2年目なので実がなっていない段階です。
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農業生産法人「みどりの里」(愛知県豊田市)農場生産責任者 野中慎吾
障害者を農業の担い手として重視する「農福連携」にも力を入れている
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。