遺伝子組み換えで小麦をやるにあたって日本がターゲットである

現在、TPP批准阻止のため、精力的に活動中の元農林水産大臣の山田正彦さんにお話を伺ってきました。

今回はTPPで食の安全はどうなってしまうのか?について②

前回の記事はこちらから→遺伝子組み換えや産地さえも表示できなくなってしまう恐さ

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ーーー遺伝子組み換えも、元々小麦はなかったけどそれが入ってくると。

2012年、私はワシントンで全米小麦協会のアラン・トレーシー会長にTPPの問題でお会いした時、「これから米国では遺伝子組み換えの小麦を大々的に生産する」と言われて驚きました。

それまでは米国政府の高官は「大豆やトウモロコシは家畜が食べるものだから遺伝子組み換えでいいが、小麦は人間が食べるものだから遺伝子組み換えでは作らせない」と明言してきていたのに、です。

トレーシー会長が「これから遺伝子組み換えで小麦をやるにあたって日本がターゲットである」と言っていました。

アメリカでも売るのですが、アメリカでは遺伝子組み換えに対して拒否反応がすごいので日本に売りたいのでしょう。

遺伝子組み換えに関しては様々な論文で悪いと言われているのですが、これを科学的に証明するのが難しい。

TPP協定第7章「衛生植物検疫(SPS)措置」における「輸入国(日本)において輸入を禁止しようとするには、厳格な科学的な人の健康を害する危険性についての証明、証拠を提出することが必要となる」という点があります。

この科学的証明は悪魔の証明と言われるほど難しく、WT0のパネル(紛争解決のための小委員会)でもこれまでに認められたことはないと言われている。

現在遺伝子組み換え食品のヒトヘの健康被害の危険性を立証することは科学的データがとぼしく、不可能に近い。

もし仮に食品衛生法によって遺伝子組み換えの鮭、小麦の輸入を止めたとしても、米国のアグリビジネス企業は日本に子会社を作ってTPP協定第9章「投資章」によって投資家対国家の紛争解決に持ち込んで、日本政府が多額の賠償金の支払いを求められることになりますよ。

政府は「TPPでは現在の食の安全の制度を変えなければならない規定はない」と言っているが、現在でも食品安全委員会の承諾を得て、ジャガイモ、トウモロコシ、大豆など8種類の遺伝子組み換え食品の輸入を認めています。

TPP協定で遺伝子組み換え農産物の輸入を促進

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TPP協定で遺伝子組み換え農産物の輸入を促進すると明記されている以上、このままでは遺伝子組み換えの小麦、鮭、鮭の練り製品も輸入されることは間違いないでしょう。

最近ではロシアも中国も遺伝子組み換えは生産も販売もやらないと言っているように、世界の流れはそうなってきているのですが、

アメリカの農務省はTPP協定で勝ち誇って初めて遺伝子組み換え食品を外交通商条約にもりこむことができて、世界の食糧危機を我が国の遺伝子組み換え食品でまかなえることができると、自画自賛と言うか豪語していました。

危険だと立証できないから安全だと言いますが、でも食品は予防の原則があって新しいものは安全ではなくて、やはり新しいものは危険があるわけですので。

その新しいものについては危険がぬぐいさられるまではちゃんと表示をしていくという予防の原則が本来あってしかるべきなのです。

でもそれができなくなるのがTPPなのです。

ーーーTPPで家庭菜園もできなくなるなどと聞いたことがあるのですが・・

直接は書いていないのですが、ただアメリカでは自家菜園禁止法が通ったとは聞いていますが。

もし日本でもなればだけど可能性はあるとは思いますが、今のところのTPPではそのようなものはでてきていませんね。

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山田正彦

元農林水産大臣、弁護士。日本ペンクラブ会員。1942年4月8日長崎県五島市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、新聞記者を志すが、結核だったことが発覚して断念。

司法試験に挑戦し、1969年に合格するも法曹の道には進まず、故郷の五島に戻って牧場を開き、牛400頭を飼育、豚8000頭を出荷するようになる。

その後、オイルショックによって牧場経営を断念、弁護士に専念し、主にサラ金問題に取り組む。

四度目の挑戦で衆議院議員に当選。2010年6月、農林水産大臣に就任。現在、TPP批准阻止のため、精力的に活動中。

著書に「アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!」「TPP秘密交渉の正体」などがある。

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