前回に引き続き健康で美味しい卵の生産者の皆川さんにお話を伺っています。
ウインドレス鶏舎とは、窓がなく外から遮断されており、日照時間や気温、湿度、換気など、すべて人工的に管理される。
鶏は5〜8羽ずつ金属製のケージに入れて何段にも積み重ねられて、1棟に数万羽が飼われる。
ーーー基本的に今はウインドレスの方が多いんでしょううか?
やっぱり、大量生産いわゆる米型の養鶏ってのは30年前くらいからどんどん日本に入ってきて、やっぱり土地が狭いじゃないですか、その狭い中でいかにたくさん飼って、たくさん作ってという大量生産型が増えたんですね。
日本でもこの養鶏業界の最大手さんもまちがいなくやってると思います。
流れがそうですから・・採卵養鶏はほぼほぼウインドレスです。
ーーー本当に真っ暗なんですか?
新聞は読めないですね。ポツン、ポツンと明かりがあるくらいですね。
見たことないからわからないかもしれませんが、窓がないんですよね。
窓がない中でものすごいたくさん入っているんです。両側にファンが回っていまして、なるべく中を換気するんです。
匂いもそうですし、酸欠してしまうからなんです。酸欠って我々が生活していてないですよね、それくらい中が密集していますから・・
酸欠になってしまうくらいの環境なんです。当然その中にはアンモニア臭がすごいんです。多分、我々が入れないくらいですよ。
ーーー行かれたことはあるんですか?
あります。数回ですがね、本当にビックリしました。中々見せてもらえないんです、同業者同士でも難しいんです。
最近は特にですね、鳥インフルエンザがでてきてから一層厳しくなりましたね。
なので僕は2、30年前くらいにウインドレスが流行りだした頃に見学にいったんです。
中で人間が作業ができない環境ですよ。ひどいところはひどいですね、それもピンからキリまであるんですが・・・
糞の匂いと、酸欠状態と特に夏場は熱ですね。
中の湿度は80%くらいになっているので、それにプラスしてアンモニア臭がすごいので、そうゆうところで飼う=サルモネラの問題だったり気管支の病気の問題だったりがでてくるんですね。
体調が悪い卵には糞がついてしまう、それをきれいにするためには、どんどん塩素をつかうんですね。そうゆう悪循環ですね。
これは聞いた話なんですが、うちの鶏は目がまんまるなんですが、どうしてもウインドレスはアンモニア臭がきつくて環境が悪いもんで目が涙目になって細くなるみたいですね。
何かこうつり目で怖い感じになるみたいですね。
ウインドレスもみた方がいいと思いますよ。ただ見させてくれないと思いますが。
企業養鶏
ーーーここらへんは養鶏場が多いときいたのですが、ここらへんでもウインドレスが多いんですか?
両極端に実はなってきているんですけど、いわゆる企業養鶏も増えてきています。
会社にしてね、そうなるとどうしても効率と従業員の問題も含めて考えないといけなくなるので、企業養鶏になればなるほどウインドレス化ってのは進んでいます。
マニュアル化して、なるべく数字でぼっていくという養鶏になってきてます。僕はやはり生き物なので無理だとは思うんですが、そうゆうのが増えていっていますね。
劣悪な環境で飼育されていたりすると、常時汚染された状態になっていますからそれは薬で抑えるしかないんです。
それが菌に対しては抗生物質なんですね。ウィルスに関してはワクチンになるんです。元から菌が発症するという前提で薬を使われるんです。餌に混ぜて使うみたいです。
ーーー企業型はアメリカからきたんですか?
そうですね。建物を作るときにこれは癒着ではないんですが、30年前くらいにそうゆう政策が増えてきまして、1億円くらい使ってこうゆうのを作って、こうゆうふうに養鶏をするとこうなりますよって、作る業者がおり色んな設備を作る人がいるなどそうゆう政策がずっと続いてきて・・・
僕は一回も興味がなかったんですけどね。周りもどんどん変わっていきましたね。
昭和30年代はみんなうちみたいなもんですよ。これが普通だったんです。企業型の鶏は見ていれられないです。
自動車を作るネジの一個と同じような感覚なんですね、鶏が。卵を産む機械というか、部品というか・・・
動物ですから、やっぱり生き物感が強いですよね。それを機械の一部にするってゆうのは、僕は出来ないですね。
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皆川さん家の美味しい卵は愛知県のスーパー「サンヨネ」で売っています。現在は販売していません。
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。