学習面だけでなく、食事や生活面からも提案、自然派学習塾講師の本土佳代さんによる連載コラムです。
体内の老廃物除去作用のある「どくだみ」
「どくだみ」は、ご存知ですよね?
庭先に雑草のごとく生えているアレです(笑)
どくだみは、半日陰地を好みます。
建物で陰ってちょっとジメジメした場所によく生えています。
子どものころ、母はこのどくだみを乾燥させて健康茶にしたり、日本酒に漬けて化粧水にしたりしていましたが、私はこの特有のにおいが苦手であんまり好きじゃありませんでした(今は全然平気です)。
「葉っぱを触ると臭い」とにかくこの第一印象が強かった。
においや味から蘇る記憶って、不思議なくらい鮮明にその情景が思いうかびます。
五感をつかった体験って身体で覚えているんですね。
その名前は毒々しいですが、広辞苑編者の新村出「語源をさぐる」によると、ドクダミとは江戸中期の儒学者・新井白石の著した語学書「東雅」には「毒をダミする」が語源となっています。
ダミとは、「矯正する」「止める」の意味。
つまり、毒を直す、阻止する草ということになります。
また、江戸時代の儒学者、「養生訓」で有名な貝原益軒の「大和本草」には「わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能があるので十薬とよぶことにした」と記載されており、現在、漢方でも「十薬」と呼ばれています。
その薬効は、いまでは十種にとどまらず、数多くの有効性が証明されています。
インターネットで「どくだみ」と調べるとたくさんの情報が出てきます。
-薬効・効能-
ドクダミの花穂や葉、茎には、排便を促す緩下作用や余分な水分を排泄する利尿効果がある成分を含んでいるので、体内の老廃物除去作用がある。また毛細血管を強化する作用もある。カリウム塩を含んでおり、神経細胞や筋肉組織を活性化する働きがある。
体内の水分を正常に保ち、利尿作用、快便作用、皮膚表面の汗腺の調節に効果があり、自律神経をコントロールする働きもしている。
ドクダミの独特の臭いは、精油成分。この成分は、強い抗菌作用がある。
最近、抗カビ、抗菌作用について目を向けられている。
ドクダミの独特の臭いのため昆虫も嫌うほどで、白アリ予防や食品の防腐剤としても開発されている。
生葉では独特の臭いのため飲用できないが、乾燥させると、精油成分が揮発するので、煎じて飲用することができる。
煎じて飲料することにより、便秘症、風邪、蓄膿症、耳鳴り、胸の痛み、のぼせ、胃酸過多、高血圧、動脈硬化、冷え性などなど数え切れないほどの効能があります。
-ドクダミのお風呂-
ドクダミは、煎じて飲用するだけでなく、入浴することでも、いろいろな効果がある。
市販の入浴剤と比較すると、自然な緩和作用が大きな特徴。
血液循環の改善、消炎作用、保温効果が高くなり、冷え性、更年期障害、生理不順、腰痛、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚病、ニキビ、吹き出物によい。
また、心身をリラックスさせ、血行をよくし、新陳代謝を高め、皮脂分泌を活発にする。
引用:薬膳の書 どくだみ
そこらへんにたくさん生えていて、しかも判別も容易などくだみですから、自然療法や野草の入門としてはもってこいの植物ですね。
今回は、このどくだみの自然療法のひとつを紹介したいと思います。
蓄膿症にきく「生どくだみ療法」
この夏、風邪をこじらせてから鼻の調子が思わしくなかった息子。
しばらく様子を見ていたのですが、一向に良くならず。
長い間鼻づまりが続いて、鼻をかむとドロッとした黄色の鼻水、鼻をいくらかんでも奥に残っている感じ、そして、においがわからない。
これは、ヤバイ。蓄膿症だ。。。何とかせねば、、、、自然療法で何かあったよね・・・と、本棚から東城百合子先生の「自然療法」の本を引っ張りだして調べてみると、ありました。
生どくだみ療法。
この時点で、息子は両方の鼻がつまっていてきつそうでした。
そこで、私は「このまま鼻が詰まったまんまだったらおバカになるよ~」と脅し(笑)(←ウソじゃないですよ。鼻づまりによって、集中力や暗記力などが低下、血流の流れが悪くなりホントに頭が悪くなります)、おバカにはなりたくない息子は、すんなり生どくだみ療法を受け入れてくれました。
蓄膿症とは、鼻の奥にある「副鼻腔」という普段は空っぽの空洞部分に膿が溜まる病気のことです。
「慢性副鼻腔炎」ともいい、年齢に関係なく発症します。
風邪が長引いて、ウイルスや細菌によって炎症を起こしたり、慢性のアレルギーが悪化したり、虫歯から蓄膿症になる場合もあります。
一般的な治療としては、抗生物質や炎症を抑える薬を飲んだり、細かい霧状の薬液を機械を使って鼻から吸引したり、それでも治らないときは、外科的手術を行うことになります。
ん?調子悪いな?→病院に行こう!ではなく、その前に、ワンクッション。
調子悪いな?→家庭でできる自然のお手当→病院に行く。という行動がとれるように、自然療法のレパートリーを増やしていけたらいいですよね。
生どくだみ療法のやり方
1.どくだみの生葉5~6枚をきれいに洗い、塩を振って汁が出でグニャグニャになるまで手で揉む。
2.やわらかくなったどくだみの葉をクルクルと硬く巻いて悪いほうの鼻に差し込む。
3.30分くらいして、どくだみの葉っぱを取り、鼻をかむ。
これだけです。
においは、生葉なので結構しますが、息子も私も大丈夫でした。
どくだみの枚数は、葉の大きさや筒状に巻いた太さによって調整してください。
息子は、3枚くらいが丁度良かったです。
鼻に入れておく時間も30分が目安ですが、これも状況に応じて調整してください。
息子は、10分ほどで、完全に詰まっていた鼻から多量の鼻水が流れてきたので取って鼻をかみました。
鼻が詰まってかめなかったのが、どくだみの葉っぱを10分足らず差し込むだけで、詰まりが取れて鼻水がたくさんでてきたので、息子は嬉しそうに通った鼻の方で息をして「ほらっ♪息できる♪」とわざわざして見せてくれました。
もちろん、1回で蓄膿症は改善しません。
継続することが大事です。
息子も今も家庭でお手当継続中ですが、一番酷かった両方鼻づまりで味が全く分からないという状況からは脱して、改善傾向にあります。
現在は、この生どくだみ療法に加えて、鼻うがいもしておりすっきりしてきているようです。
「鼻うがい」もとってもおすすめなので、これについては次回お話したいと思います。
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本土佳代
レッチワース本土教室(学習塾)講師 元ICU看護師。
現在は、夫の経営する学習塾の小中学生講師。
レッチワース本土教室は、講師が子どもに教え込むような塾ではありません。
子どもたちの個々の能力を引き出すために対話を大切にしています。子どもを引っ張るのではなく「ファシリテーター」役として子どもが主体的に学習できるように促進、導くのが講師の役割。
その中で、学習面だけでなく、食事や生活面からも親や子どもたちが健やかに成長できるような提案もしています。
子どもの妊娠・出産を機に、古民家に移住し、できるだけシンプルでナチュラルなライフスタイルを目指して、家庭で実践できる自然療法やアロマ、クレイテラピー、ヨガなどを楽しんでいます。
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。