学習面だけでなく、食事や生活面からも提案、自然派学習塾講師の本土佳代さんによる連載コラムです。
今回は、塾を経営している私たちから見た「ゲームと学力」について。
以下の文は、夫が塾のブログで掲載した内容です。
「ゲームと学力」
我が家にはテレビがありませんが、私はパソコンやスマホでゲームはします。
息子はDSなどのゲーム機を持たせていませんが、私のipadやパソコンでゲームをします。
ゲームと教育について語られる場合、多くはゲームをすると成績が下がるとか、暴力的になるなどと言われます。
ゲームは楽しく、頭を使ったり、芸術性があったり、素晴らしい部分も多いと思っています。
しかし、やはり子供にも自分にも制限をかけています。
①年齢制限
ゲームには、レイティングというものがあり「15歳未満には推奨しませんよ」というものには「R15」などと記載されています。
しかし、このレイティングに関してあまり気にされていないご家庭が少なくありません。
暴力的なもの、残虐なもの、性的なもの・・・今の子供たちはゲームでもユーチューブでもそういうものに簡単にアクセス出来てしまいます。
小学生でも17歳以上推奨のバトルロイヤルゲームをしています。
自分の子どもがしていなくても、お友達の家に遊びいったときに、触れてしまうこともよくあります。
地域全体で、意識を高めて、出来るだけ子供たちから離すようにしてあげたいものです。
自主性を発揮するためのニュートラルな時間は大切
②機会損失
子どもに優しい内容のゲームやユーチューブもあります。
しかし、それらに膨大な時間を費やすことは、その他の経験をする時間が大幅に減るということです。
脳も心も成長する子供時代に、お友達との外遊び、読書、自然に触れること、こういう機会がゲームの時間にとって代わられることは、ものすごい損失です。
いつでも、手を伸ばせばサッとゲームができる環境。
寝転がっても出来るし、テレビ見ながらでもできる。
お友達とおしゃべりするときも、ゲームをしながら話してたり。。。
やはり、ある程度制限を設けることで、ゲーム以外の時間が充実してきます。
子ども時代に、読書や外遊びが少ないことは、脳と心と体の成長に悪いということは、皆さん感覚的に理解できることだと思います。
やる気がない、チャレンジする気がない、計画性がない、片付けられない、根気がない、・・・・。
生活を見直さないで「今の子は・・・」と言っても建設的ではありません。
③自主性
勉強と部活と塾で忙しい子どもは、ゲームから離れていきます。
普段の生活がハードなので、休みの日はボーとテレビや動画を見ます。
もしくはゴロゴロ寝たり、マンガを読んだり。
つまり、フリーの時間が部活や塾や学校のための回復時間にあてられます。
こういう生活は一見充実しているように見えますが、自主性は芽生えません。
子どもが暇な時、手元にゲーム機もなくテレビもなければ、どうなるでしょう?しばらくは「ヒマだな~」とか言って、本棚から昔読んだ本をパラパラめくってみたり、ボーとしたりしています。
しかし、おもむろに何か工作を始めたかと思うと、夢中で制作に励んだりします。
しかし、上手くいかなかったり疲れたりして、その遊びをやめて、今度は庭に出てトカゲを探したり自転車のタイヤを回したりいろいろします。
時間があって、元気もあって、なおかつゲームやテレビがない状態。
こういう状態で放っておくと、子どもは自分の内側の自主性を発揮して、いろいろやります。
こういうニュートラルな時間は本当に大切だと思います。
ここまでがブログ内容です。
我が家がテレビやDSなどのゲーム機を置かない理由は、こんな感じです。
息子は、テレビを買うお金がない!と思っているようですが(笑)
パソコンやipadなどは、基本的に親の所有物ですので子どもが好きな時間に好きなだけ使うことができません。
基本的に子どもにとっては「ない」状態。
これだけで制限できますし、基本がない状態なので、出来るときは「やったー」となりますよね。
いい面も悪い面も理解する必要性
今は、子ども部屋にテレビとゲーム機があるところも少なくありません。
この「ある」状態での制限というのは、制限する大人にとっても、制限される子どもにとっても、とてもストレスフルなことです。
だって、出来ることが基本の状態から制限がかけれるわけですからね。
ゲームというと、否定する人が多いですが、私は否定でも賛成でもない中立の立場です。
それは、いい面も悪い面も理解しているから。
なんでも、「周りが良いって言ってるから」「あの人が悪いって言ってるから」ではなく、そのモノをきちんと知って取り入れていくと、上手に付き合えると思います。
でも、基本のライフスタイルは「引き算」だと思っています。
できるだけ、いらないものをそぎ落としてできるだけシンプルな生活。
これが、子どもにとっても一番だと思います。
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本土佳代
レッチワース本土教室(学習塾)講師 元ICU看護師。
現在は、夫の経営する学習塾の小中学生講師。
レッチワース本土教室は、講師が子どもに教え込むような塾ではありません。
子どもたちの個々の能力を引き出すために対話を大切にしています。子どもを引っ張るのではなく「ファシリテーター」役として子どもが主体的に学習できるように促進、導くのが講師の役割。
その中で、学習面だけでなく、食事や生活面からも親や子どもたちが健やかに成長できるような提案もしています。
子どもの妊娠・出産を機に、古民家に移住し、できるだけシンプルでナチュラルなライフスタイルを目指して、家庭で実践できる自然療法やアロマ、クレイテラピー、ヨガなどを楽しんでいます。
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。