自然栽培の美味しくて安全なイチゴを安定供給する自然栽培農家・野中慎吾さんによる連載コラムです。
自然栽培で春ダイコンと春カブ
無肥料無農薬で作る自然栽培での野菜は3月、4月は品薄になりやすいです。
なぜなら、1月、2月の極寒期をくぐり抜けてこないといけないからです。
植物は寒いと成長しませんし、凍るとダメになってしまいます。
(1月2月のホウレンソウ)
それでもトンネルやハウスで保温してうちもホウレンソウとダイコンで2月粘って出荷しました。
しかし、2月下旬から極寒期を抜け出すとそこでじっと耐えていた野菜たちは動き始めて大きくなるかと思いきや花が咲きます。
(アブラナ科の野菜の花)
花芽が出てきてしまうとダイコンであれば根の養分が全て花に持っていかれますし、ホウレンソウ、小松菜などの葉物であれば葉の養分が全て花へと持っていかれてしまいます。
自然栽培などの無農薬で野菜を育てる人たちは旬を守って作りたいと思います。
なぜなら、そのほうが無理せず簡単に作れるからです。
しかし、お客さんは3月、4月だって自然栽培野菜食べたいです。この時期は販売者も野菜を探し回っています。
この時期に出せれば皆に喜ばれるのかと思い出せそうな野菜探しているとダイコンとカブが春収穫できそうでした。
しかし、種まきの時期は12月、1月です。
寒いよね。
もう今年は畑終わりだなーと思って休みたいときです。でも春に収穫したくて保温をしっかりすればなんとかなるはずと思い種播きしました。
(1/12 寒い中皆で種まきしてすぐトンネルを作る)
ただでさえ寒さのリスクを背負います。
(寒いので発芽するのに10日かかります)
そのうえ、無肥料無農薬なので相当なリスクがありそうですが、こういう挑戦で自然栽培のできる幅を少しづつ広げていきたいんです。
(寒さに耐えて発芽して育ってるダイコン)
(カブも発芽しています トンネルの中だけ春になってます)
無肥料無農薬でもここまでできるという事例をたくさん作りたいです。
(12月~3月中旬くらいまではトンネル内で育ちます)
(間引いて2本を1本にします ダイコン菜も重宝されます)
(1穴に2粒まいてるので間引きしてカブ菜として出荷します)
こういう旬を外していく挑戦はイチゴですでに経験済みです。
この段階の栽培に入ると自然との関わり方というか見方が変わってきます。
(みんなで寒い中草取り中 大きくなってねと声をかけます)
旬を守るやり方は自然に守られた感じで栽培が進みます。
旬を外していくやり方に入ると自然をより探求し理解して、自然はこうくるはずだから自分はこう手を打っておこうなんてふうに自然と駆け引きする割合が一気に増えます。
(3月中旬にトンネルをはぐと皆ちゃんと育ってる
真ん中の1月にまいた大根は寒すぎたか発芽不良だったのでカブをまいておいた)
自然と将棋でも指してるみたいな相手はかなり手ごわいのですが、面白すぎるのです。
(ここからはダイコンの好きな気候だから簡単です)
うまく読みがあたって調和が叶うときすごく喜ばれる野菜がすごく喜ばれる時期に出せます。
あの雪もあの寒さも全部乗り越えたカブたちです。肥料よりも温度をとることのほうが植物の成長には必要なんです。
このトンネルの中は春の演出がうまくいったんです。カブはもう出荷してます。
葉ごと炒めて食べると自然栽培カブはうますぎて感動しますよ。
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農業生産法人「みどりの里」(愛知県豊田市)農場生産責任者 野中慎吾
障害者を農業の担い手として重視する「農福連携」にも力を入れている
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。