冷えは胃腸の負担を大きくし疲れを回復させる【陽気】の不足に繋がる

看護師や療法家を含む医院・施設専属のクリニカルアロマケアチーム タッチケアサービスさんによる連載コラムです。

月1回産後ケア連載コラム。早くも11回目を迎えました。

前回は中医学視点から観る【残暑と産後】について書かせて頂きました。

→ 暑邪により必要以上の大量の汗と同時に【気】を消耗させてしまう

バックナンバーとともにお読みになられると産後に限らず自然界と体の繋がりがおのずと観えてきますのでお薦めしています。

高温多湿が特徴である日本の夏。今年の夏は暑い日もあれば涼しい日もありました。

またお天気も不安定であったことから農作物にも影響が出ているようです。そして何よりも湿気がとても高く感じられた夏だったように感じています。

暦の上の秋は8月上旬の立秋から11月上旬の立冬前日までを言いますが、秋の前半と後半ではまた秋の特徴が違ってきます。

前半は夏の暑熱がまだ残っていると同時に秋の乾燥が加わること(温燥)に対し、後半は冬の寒さが加わっていきます(涼燥)。

特に今回は夏の後半から秋の前半についてと産後の繋がりをお話していきたいと思います。

夏の季節は一年の中でも最も【気・血・津液・精※】のバランスを崩しやすく体調を崩しやすい時期。暑さ(暑邪※)が続き熱帯夜で睡眠が不足すればさらに体力を消耗。

そこに湿気(湿邪※)によって弱い脾胃(胃腸のイメージ)の機能が低下。

また冷房や冷飲冷食による冷え(寒邪※)は胃腸の負担を大きくし疲れを回復させる【陽気】の不足に繋がっていきます。

この陽気は体内の陰陽の陽。体の陽の気。体を温めるようなボイラー的な存在。今回はこの程度のイメージで留めておきます。

(※の解説はバックナンバーをご参照下さい。)

この陽気不足によって全身に気血津液精が行き渡らなかったり血行障害に繋がったり、やがて冷えに悩まされることにもなりかねません。

また夏の不調をそのままに残しておくと秋になっても体力を回復できずに抵抗力が落ちて感冒(風邪:かぜ)を引きやすくなります。

でも心配はありません。

【自然之道、養自然之身】秋は自然に養生ができる季節

【自然之道、養自然之身】と言われるように秋は自然に養生ができる季節です。バランスが崩れてしまった体をリセットしやすい季節なのです。

それは何故だと思いますか?

それは【食欲の秋】と言われるように秋になると美味しく食べられるようになるのは、胃腸にとってとても過ごしやすい環境にあるからなのです。

胃腸は湿を嫌い、潤いを好む臓腑です。胃腸は私たちのいのちの源を作りだす工場。その工場が働きやすい条件が揃う理由からです。

だからといって過信してはならず、まずは夏の暑さで睡眠不足によって体力を消耗している睡眠の改善を図ることは大切です。

それは睡眠の質によって、胃腸の働きが変わってくるからです。

また季節の変わり目は気持ちも不安定になりがち。

夏の疲れを解消するために体を動かすことでストレスを発散すると同時に体の陽気を活発にしておくことが大切です。

古い書物(黄帝内経)の一部に【早く寝て早く起きる。心を安らかにして、陽気をひそめて過ごすべきである】と書かれています。

秋がどんどん深まり落ち葉がはじめると物悲しさや淋しさを感じると言われています。感情によっても臓腑に大きな影響を受けることは中医学では知られていることです。

産後の体の状態は気血津液精が一気に消耗しています。

胃腸を整えていくにはとてもいい季節ではありますが、この時期の産後の心のケアはさらに大切に捉えていかなくてはならないと思います。

一日の終わりにはゆっくり温かなお風呂にアロマの香りを入れてみるのもいいですし、お風呂に入れない場合であれば足湯にアロマの香りを取り入れてでも充分です。

また頭皮のマッサージにもアロマの香りを取り入れながら行うことで全身の陽気を高め血行を刺激されていきます。

よって冷えのケアや予防にも繋がっていきます。

日本は海に囲まれた島。湿気の多い国です。

乾燥の秋になっても台風の時期はまだまだ湿気(湿邪)にも気をつけなければなりません。この湿気対策の一つとしてアロマの香りによって上手にサポートすることは可能です。

日々、自然の声を聴きながら、どうぞ夏から秋へ季節の変わり目を上手に過ごせますように。

タッチケアサービス講座 中医学担当 山口恵美

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西洋医学・東洋医学両視点からのケアを深めるための講座を開催。現場に則した内容の講義講座や勉強会を行う。

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