家庭でドイツ自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求されている森 Wenzel 明華(さやか)さんによる連載コラムです。
わたしの「できる範囲」からはじまる世界への扉。
9月17日はヒルデガルト昇天祭でした。
ヒルデガルトのなくなった日、つまり天に還った日をお祝いするセレモニーの日です。
この日は、セレモニーの後に1年に1度、ヒルデガルトの遺骨の納められた黄金の静謐に触れることができます。
最近は、ご縁あってよくヒルデガルトの修道院や教会に足を運ぶことが多くなりました。
こどもたちもだんだん大きくなってきたので、あちこちに一緒にでかけたり。
友人と訪れたり。。です。旅の話もまた書きますね。
さて、ヒルデガルトのお話にもどります。
ヒルデガルトの属していたのはカソリックのドミニコ会です。
その司教によって盛大なセレモニーが行われます。
2012年にヒルデガルトが聖人に列せられて以降、ヒルデガルト人気は高まる一方で、
年々、このセレモニーに参加するかたも増えてきたようです。
カソリックのセレモニーなわけですが、男性陣の司教や神父様が勢ぞろいしていて、それはそれは重厚感のある雰囲気なのです。
しかし、正直いって
(男性主体なんだな。。。。)と思わずにはいられません。(笑)
ヒルデガルトの時代も、ミサを執り行ったのは神父なのかもしれませんが、
ヒルデガルトは女性にはほとんど地位がなかった時代に、説教旅行にいっていたほどの積極性を持ちます。
いったい、どんなパワフルな人だったんだろうか。
いったい、どんな力つよい説教をしていたんだろうか。
なんて。中世、ヒルデガルトが生きていた時代への想いを馳せながら・・・考えるのです。
ヒルデガルト修道院
そんな中わたしの一番のおすすめは、ヒルデガルト修道院での早朝のミサ。
これがまた、早朝だからか・・・人数が少ない(笑)
こちらも年々、人数はすこし増えつつありますが、やっぱり少ない。
修道女たちの声が響き渡り・・・それは、それは。。。。神秘的な雰囲気に包まれるのです。
澄み切った歌声が、まるで天から光とともに降ってくるような・・・そんな世界観の中に身をおけます。
そして、静かでいい。
のですが。。。
ここにわたしは、宗教の限界も感じるのです。
ひとりの修道女との出会い
数ヶ月前、わたしは知人のオーガニック農場を訪れた際に、ひとりの修道女に出会いました。
彼女はアフリカのタンザニアからドイツに、病院設立の資金を集めるために、その農場に滞在していたのです。
病院は1階部分だけができあがっていて、まだ2階と屋根が完成していない。。。ということでした。
どのようにして建設するのか?と聞くと、
自分たちでレンガを焼いて、それを重ねて、屋根は草でふく・・・というシンプルな作り方。
ストリートチルドレンが多くいて、病院にいけないこどもたちで溢れかえっているので、そういうこどもたちの受け皿になりたい
(すでに孤児院を運営されています)と語る彼女の熱いまなざしと言葉たち。
彼女たちの必要とする資金は、数百万円ほど。
たった数百万で病院を設立できるのか。。
そして多くの子供達を救えるという現実。
その時に、修道女の話していた言葉が印象的でした。
「街の真ん中には、大きな立派な教会堂があるでしょう。入ってみたら・・・そこで祈っている人は誰もいなかったりするの。
ほんとうに人々が必要としているのは、なんなんでしょうか?
わたしたちは大きな立派な教会はいらないの。本当に神につながるのは、大きな立派な建物でなくてもいい。
本当に神が必要としているのは、ほんとうに人を助けることができる場所なんではないでしょうか・・・」
彼女の言葉は、胸にずっしり響きました。
たしかに・・・
わたしは、ヨーロッパの街や、世界のいろんな場所を旅したとき、教会堂やモスク、神社やお寺があると、必ずといっていいほど立ち寄ることにしています。
でも閑散としている場所も多いですよね・・・・
わたしは、もちろんああいった静けさと、厳かな場所・・・が好きです。
日常生活のうるささ・・・みたいなものから切り離されますから。
忙しい現代の社会では、静けさの場所は必要なのかもしれません。
また祈りの場所というのは、やはり神聖で・・・
向こうの世界への扉のような感覚があるからです。
本当は私自身がパワースポットであり、あなた自身がパワースポットであり。。。
どこでも、いつでも、だれでも・・・つながることができる。。。ということが真実ではないでしょうか。
ほんとうに人を助けることができる場所
では天は、宇宙は、神は・・・大いなる存在は(あなたの信じている神様は)なにを求めているのか?
と思った時、彼女の言っていることは、真実だと痛感しました。
立派な教会堂を建てることも大切かもしれないけれど・・・
本来は、本当に早急にヘルプを必要としている場所に。
そういうふうに富みも分配されていくべきなのだと。
ただ・・・そうあるべきなのは、本当は家庭であり、仕事する場所であったり、本当がこどもたちが学ぶ場であったりするのだと思います。
「仕事」や「学ぶ場」が癒される場所ということ・・・・そういう概念があってもいいとわたしは思います。
今、わたしにできることはなにか?って思ったときに。。。
それは「家庭」からはじまるのかなと。
自然療法や毎日の暮らしの中に、癒しは多々、存在しています。
(参考写真)
今回、ヒルデガルトの旅をご一緒したかおりさんは、アロマセラピストさん。
「自宅でアロマ」というブログを書いておられます。
本当にわかりやすい!!いろいろ気軽に家庭にアロマセラピーをとりいれるコツがのっています。
さっそく試してみよう!という気持ちになれますよ~。
またドイツ旅行のさいの、便利グッズのおすすめもあって・・・こちらも重宝します。
個人的には、私自身もわたしのマインドや作成した資料のわかりにくい点を指摘していただいたりして。。。とても助かりました。
整理整頓がすごく得意で、お家もすっきり、頭の中もすっきりなんだな~~と思いました。
彼女の視点からみたヒルデガルトの旅のこと、毎日のアロマでのケアなどが書かれています。
実践的でいて、理論的な感じです。
家庭でのケアにぜひ、参考にしてみてくださいね。
まずは自分のそばから、大切なひとたちを守るために・・・
ヒルデガルトはそういうことを地道に実践していった人だったのでしょう。
そうしてだんだんと、輪が大きくなっていったのでしょう。
熱い想いや、真実というのは、
何年、何百年経っても生き残ります。
ときにそれは、輝きを増していきます。
ヒルデガルトの静けさの漂う修道院の教会から、ぶどうばたけの間の小道を歩いて・・・
ヒルデガルトのような生き方をしたい。。。あの修道女のような志をもって、、、
そしてわたしが、今のわたし自身で、できることをしていきたいと思いました。
ヒルデガルトもそう言っていますよ。無理せず、あなたができることをしなさいって。。。(笑)
そして、できることは意外と多いものなのだなと、自分自身の経験もふくめて。。。
またホームステイにきてくださる人たちをみていると感じます。
(自分で気がついていないだけで・・・)笑
あなたも、来年の9月にヒルデガルトの旅路にでかけてみませんか?
わたしができる範囲でできること。。。がわかるかもしれませんよ。
世界への扉を、宇宙への扉をひらいてみませんか?
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森 Wenzel 明華(もり ウェンツェル さやか)
著書「ハーブ療法の母ヒルデガルトの家庭でできるドイツ自然療法」(BABジャパン)「ホメオパシーってなぁに?」(ホメオパシー出版 )
「誰でも家庭でできる自然療法」がテーマです。持ち前の好奇心と行動力でドイツでは、自然と共に生きています。家庭で自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求しています。
毎日の暮らしのブログ⇒ ドイツの森 自然療法でハッピーに!
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