ドイツハーブ療法の母、聖女「ヒルデガルト」を探る旅

家庭でドイツ自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求されている森 Wenzel 明華(さやか)さんによる連載コラムです。

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「あなたの魂が真に癒された時、その喜びは涙となって現れる」これは中世に生きた修道女ヒルデガルトの残した言葉です。

ヒルデガルト・フォン・ビンゲンといえば、ドイツでは知らない人はいないほどの有名な女性です。

ヒルデガルトは、900年前に生きた修道女で、2012年に聖人の中でも特に学識に優れた聖博士に列せられました。

女性の地位などが無いに等しかった中世において、薬草療法だけでなく、ストーンセラピー、食事療法、芸術面では、戯曲などの作詞作曲、歴史研究、執筆、絵画など多岐にわたって活躍した女性です。

まさにスーパーウーマンだったのです。

現代社会において、ヒルデガルトが注目を浴びているのは、900年前の「聖女」は、女性でありながら、自分の意思と生き方を貫いたこと、また「ホリスティックな医学」を実践していた人でもあったからなのです。

心と体、魂のつながりについてのことを、薬草療法や生き方の指針などを書いた著書「自然学」や「病因と治療」の中でも多く述べています。

さて、前述の彼女の述べた魂の癒しである涙とはどんなものなのでしょうか?

そんな涙を流す体験をした方も、このサイトやブログを読んでくださっている読者の方の中には、いるのではないかと思います。

魂の癒しというと、よくわからないかもしれませんが、例えば大自然の壮大さに心から深く感動した時、何かの瞬間に、過去の悲しみが癒されたと感じた時など、

生かされているということに感謝の念が湧いてきた時など、私たちの魂は、地球・宇宙とつながることができるのではないでしょうか。

そしてその喜びから、意志とは関係なくとめどなく涙が溢れてくるのかなと感じました。

私自身も、そんな体験をしたことがあります。昔、悩んでいることがあって、暗く鬱々とした気持ちで、散歩をに出かけた時のことでした。

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河原へと続く淡い春先の草原の中で、じっと肌寒いのを我慢し、立ち止まって考えていると、
ふと、ある瞬間に、太陽の光が差し込んで、その周囲の自然が、一変して、光り輝いて見えたのでした。

まるで自然が優しくわたしを慰め包んでくれているかのように1本1本の草花たちがキラキラと輝き、わたしはこの世界との、地球との、深い一体感を感じました。

すると不意に涙が自然にポロポロとこぼれてきて、自分が悩んでいる事なんて、なんて小さな事なんだろうと、すう〜〜っと心が軽くなった経験がありました。

世界のどこにいても、わたしはわたしで繋がっているんだなと。だから、なにも心配はしなくてもいいのだと。

心が泉だとすれば、癒された喜びは、肉体に涙として溢れると、ヒルデガルトは伝えているのだと解釈しています。

ヒルデガルト昇天祭

毎年、9月17日はヒルデガルト昇天祭が行われます。

ライン川沿いの街「つぐみ横丁」で有名な観光地でもあるリューデスハイムという町があるのですが、少し丘を上がったところに、アイビンゲンという集落があります。

そこに、ヒルデガルトの建てた教会ががあります。

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ドイツでライン川下りをされるご予定があれば、リューデスハイムだけでなく、ぜひ少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

この教会の祭壇には、ヒルデガルトの遺骨が納めらている黄金の聖櫃が祀られています。祝祭の9月17日には、1年に一度、聖櫃が、頑丈な透明のケースから取り出されます。

信者は(というより希望する人なら誰でも)その聖櫃に直接触れて祈るということができるという特別な日なのです。

そのため世界中から多くの人がこのセレモニーに参加します。

わたしたちは、その日の朝、セレモニーの始まる前に、聖櫃教会からブドウ畑の少し丘の上にあるヒルデガルト修道院のミサにも参加してみました。

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澄み切った空気の中、ライン川を眼下に、まだ太陽が昇り切らないぶどう畑の間の道を通って、教会へと向かいました。

静けさに満ちた修道院の教会の前庭には、ヒルデガルトが愛した様々な薔薇の花が朝露に濡れて、たくさん咲いていました。

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教会に一歩、足を踏み入れると、正面天井に主イエスキリストが大きく手を広げたフラスコ画が描かれ、来訪者を迎え入れてくれるのが印象的です。

何度訪れても、なにもかもを、全てを受け止めてくれるかのような安心感と、厳かな気持ちになれる場所です。

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教会堂内に、修道女たちの美しい歌声が清らかに響き、朝のミサが始まります。参列者も少なく、朝の静かな気持ちのままで祈りの時間を持つことができました。

前列に座った老夫婦が仲睦まじく、足の悪いご主人を奥様が懸命に支えられていたのですが、二人の姿を見ていると、夫婦愛や深い信仰心など、真摯に祈られる姿から、様々な想いがこみ上げてきて、自然に涙が溢れてきました。

この涙も、ヒルデガルトの述べた魂からの涙のように感じました。

天まで響く修道女たちの歌声は、天から降ってくるような優しさで、今も生き続けるヒルデガルトの愛と息吹、中世の修道女たちの様子が想像できました。

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きっとヒルデガルトが生きていた時代は、このような素朴でいて、愛に溢れるミサが行われていたのかな、と思いました。

教会のミサが終わって、外に出ると、朝もやの中、ちょうど太陽が上がってきたばかりで、ライン川とブドウ畑が朝の光に照らされていました。

天からの贈り物だな・・・と、感じました。

セレモニーも素晴らしかったですが、中世のヒルデガルトの思いや、暮らしを知りたければ修道院の朝のミサに行かれることもお勧めです。

ヒルデガルトの書籍は日本語にも訳されています。

家庭でヒルデガルト療法を取り入れたい場合は。。。


ハーブ療法の母ヒルデガルトの家庭でできるドイツ自然療法

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森 Wenzel 明華(もり ウェンツェル さやか)

著書「ハーブ療法の母ヒルデガルトの家庭でできるドイツ自然療法」(BABジャパン)「ホメオパシーってなぁに?」(ホメオパシー出版 )

「誰でも家庭でできる自然療法」がテーマです。持ち前の好奇心と行動力でドイツでは、自然と共に生きています。家庭で自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求しています。

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