自分だけのために捧げる時間【ドイツ自然療法】

家庭でドイツ自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求されている森 Wenzel 明華(さやか)さんによる連載コラムです。

ひとりになる時間

20歳のときに、アルバイトを一生懸命して、お金を貯めてヨーロッパへバックパッカーの旅へでかけたのが、わたしの旅人生のはじまりです。

その後、運命的にドイツ人の旅好きの夫にであって、二人で。家族が増えてからも、3人で、4人で。仲良しの友人とも。

時に大家族で、旅にでかけています。

多分、もう40カ国くらいは訪れていて、駆け足でというよりかは・・・滞在型で、1つの国をかなりじっくりと旅するということをしています。

違う国にでかけると、その国の現地のひとびとや、食べ物や、文化、自然と出会い、毎日がもちろん刺激的で、楽しいこともあれば、ハプニングに見舞われることもあったり。

新しい発見がたくさんあります。大変なハプニングのあった旅のほうが、意外とそのときは、へろへろになっていても思い出すと、すごく楽しくて、きらきら輝いていたりするのです。

旅の醍醐味というか、一番大きな発見は、自分自身を再発見することかな、と思います。

美しい風景の中で、おいしいものを食べながら・・・

ただ虫の声や、波の音を聞いて散歩してる時・・・

ふと、自分の暮らす国を外から眺めたり、自分自身を客観的に考えてみたりという時間になることが多いです

もちろん家族やパートナーと旅行していると、そういう時間はすこし減るけど、でもやっぱり向こうの世界に住む「じぶんじしん」が見えてきます。

わたしが印象に残っているのは、「はじめて」パリを20歳のときに旅行したときのことです。

ユーレイルパスというヨーロッパ鉄道周遊券を購入して、ヨーロッパの街をそのときは駆け巡りました。

生まれてはじめて!華の都、パリについたときは。。。。

(わぁ、わたし・・・あの憧れのパリにいるのね)なんてドキドキしました。

そしてひとりで小さな可愛いホテルの屋根裏部屋の隠れ家のような部屋に泊まったとき生まれて初めてわたしは(あぁ、わたしは今、わたしだけのために、ひとりの時間を生きている)としみじみ感じたのでした。

考えてみれば、わたしは生まれてから両親のもとで育ち、「娘」として「長女」として学校では「生徒」として、兄弟の中では「姉」として生きてきたのでした。

小さな村育ちなので○○さんところの娘さんというのもありますよね。

はじめての一人旅では、それらの役割からすべて解放されました。

それは誰しもそうではないでしょうか?

ただその時に感じたのは、誰もしらないパリの片隅で、わたしは、わたし自身にだけなれた(と心の底から感じた)のです。

「やっと、わたしだけになれた!ひとりだ!」という喜びの気持ちがいっぱいになったのです。

あの小さなホテルの部屋で、ベットに寝転がって屋根裏部屋の小さな窓から、パリの煙突と屋根屋根を覗き見ているだけで、幸福感でいっぱいになりました。

「ひとりだけ」の喜びを味わいました。

あの当時、まだ我が家の両親は喧嘩も多く、崩壊寸前か?と思うほど(笑)でしたたので、
わたしはクタクタでもあったのです。

(それが今は、親も年老いて仲良くしていて、家族もまとまったというか・・・

あれは一体、なんだったんだ?と思うほどで、所詮、家族ってそんなもんなんですよね)

あの時の若いわたしには、わたしだけのために生きる時間、空間が必要だったのでしょう。

そしてひとりで、いろんな人にあって、いろんな場所にでかけていろんなことを考えて。

「わたしだけに捧げる時間」を過ごしたのです。

一生懸命 バイトして貯めたお金ででかけたあの20歳のあの旅はわたしの人生を変えることになったし、自分自身をはじめて客観的にみることになった、あの旅の日々、あの時間だったのかなと感じました。

やはりひとりでいる時というのは、旅でも感覚が研ぎ澄まされていくし、出会う人も違ってくるからです。

そして今も、時空を超えて ちょっと落ち込んだり、疲れた時もわたしにエネルギーを送ってきてくれているのは「思い出」となったあの旅で過ごした時間であったりするのです。

わたしたちは、いつも誰かのために、誰かとともに生きています。

そして支え合って母であったり、娘であったり、妻であったり・・・・

会社で働いていれば、その役職、役割であったり

地域社会でのボランティアであったり

大きなくくりでみると、日本人として・・・

それはそれで、心地よく、たまにうっとおししいのですが(笑)

わたしが社会的に存在するためには、そういった役割がついてまわります。

そこから完全に解放されるということはなくてもスピリチュアル的に考えると、だからこそ、わたしだけの時間を意識するということの大切さを感じます。

こちらで自然療法を勉強していると、「自分だけの時間があるか?空間はあるか?」ということをよく聞かれます。

ドイツは個人主義な国ですから、日本よりも、もっとそういう時間、考えは意識されているのでしょう。

ドイツでは静かになれる場所や、散歩にでかけたり・・・

そういう時間も意識的にとることができます。

(じゃ?日本は?)

毎日が忙しく、時間もあっという間にすぎていってしまうのではないでしょうか。

(一人になれる場所???)

家の中で、気に入っている場所でもいいし、近所の公園の静かなベンチでもいいし、お気に入りのカフェでもいいし・・・と、考えた時・・・思い当たったのがお風呂です。

おふろは(たいてい)ひとりで入ります。(家族と入るのもいいものですが)笑

ひとりで静かに、湯船に浸かりながら・・・・1日のことを考える。じぶんのことを考える。

自分自身だけにある時間。そういう空間が「お風呂」なのか・・・・日本のお風呂って、究極の癒しなんだなと。

まるで禅に通じる世界だな、と。笑

お風呂は「水」のエレメントが満ちる場所です。

ヨーロッパのお風呂はユニットバスなので、ああいった完全な日本のようなお風呂だけの空間はありません。海外に暮らしていると、ほんとうにお風呂や温泉が恋しくなります。

まさに!日本人にぴったりやなぁと・・・

今日からは、お風呂にはいるときは、旅する気分でひとりだけの空間をじっくり、ゆったり味わってみてはいかがでしょうか?

お風呂に限らず、1日の中で、すこしでいいので一人になれる空間、時間をもつ。

たった5分でも。

もしくは人生の中で、旅にでて、自分をみつめてみる。ちょっと意識することで、毎日を丁寧に暮らしていけます。

自分自身に優しくすることって、つまりは地球にも優しくすることにつながっていきます。

ひとりのために生きる時間って、大切なんだなと思いました。みなさんには、ひとりの時間、「自分だけに捧げる時間」は、ありますか?

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森 Wenzel 明華(もり ウェンツェル さやか)

著書「ハーブ療法の母ヒルデガルトの家庭でできるドイツ自然療法」(BABジャパン)「ホメオパシーってなぁに?」(ホメオパシー出版 )

「誰でも家庭でできる自然療法」がテーマです。持ち前の好奇心と行動力でドイツでは、自然と共に生きています。家庭で自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求しています。

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