角谷文治郎商店「米一升、みりん一升」の本格みりん
三州三河みりん醸造元(株)角谷文治郎商店
代表取締役 角 谷 利 夫
本場三河地方の伝統製法による本格みりんです。もち米のおいしさを、醸造という日本の伝統技術のみで引き出しました。
醸造アルコール・糖類・保存料などは一切使いません。だから、そのまま美味しく飲んでいただくこともできます。
「米一升、みりん一升」の本格みりんは、上品な甘さを持つ旨み調味料で、抜群の照り、ツヤとノビの良さが特長です。
養生ラボ(以下、養生)本格みりんや三州三河みりんの歴史について教えてください。
角谷 利夫(以下、角谷) 現在の本格みりん、ぶどう糖や水飴で増量するのが当たり前の中で本格みりんにしたと言うのはですね、この地域は元々みりん業者の多いところで大変古くからのみりん作りがスタートしてるわけですね。
昭和30年代後半から40年代にいわゆる戦後の混乱が終わって大量販売、大量生産の中でますます限られたお米でいかにたくさん作り、安くする中でぶどう糖や水飴が当たり前に使われるようになったんです。
養生 それまでは使ってなかったんですよね?
角谷 元々みりんというのは業務用で、料理屋さんやお蕎麦屋さんうどん屋さん鰻屋さんなどの業務用で使われるのが当たり前で、家庭調味料としてはそんなに使われてなかったんです。また使えられるような状況でもなかったんです。
養生 値段が高かったからですか?
三州 そうです。お米が不足していた時代に、その米をたくさん使う。
一言で言うと米一升みりん一升という作りのみりんは贅沢品と言うことで大変高い酒税負担を求められていたんです。
そのすごさというのはね、1000円のうちの762円が酒税だったんです。3/4以上が税金で持ってかれて・・
養生 そんなに高かったんですね?
角谷 しかもお米も欲しいだけ使える状況じゃなかったんです。なので増量剤としてのぶどう糖や水飴なんです。
お酒の場合はかつて3倍醸造、三増酒と言うのがありましてぶどう糖や水飴も使われてたんですが、清酒の場合は戦時中、米不足の中でいかにたくさんのお酒を作るかと言う技術開発が使われたんです。
清酒の場合は兵隊さんや庶民が疲れを癒すためのお酒が必須なものだったんです。死と直面する局面においていかに士気を鼓舞するか・・そのためにお酒は必要だったんです。
それで国が三増酒を開発したんです。使ったお米の3倍までぶどう糖や水飴、アルコールで増量してもいいよと、これは国の政策として各地の蔵元に国の技術指導のなのもとに量の確保が優先されたんです。
みりんの場合は違うんですね。
限られたお米でいかに安く大量のみりんを作るかと言う形で3倍醸造どころか4倍、5倍にもなってきたんですね。
そんな中で直接、板前さん、調理師さんなど接触のある場合だと簡単にコストダウンのため、大量生産のためとは言え恐る恐るなんですね。
だけども営業力のある大手さん、準大手さんはお客さんといつも接して、お客さんの顔色を見ながらまだ何も言われないからまだ大丈夫といった形で増量がなされていって・・
養生 様子を見ながらですね(笑)
角谷 その挙句にぶどう糖や水飴で増量したら甘さのごまかしはできたけど、旨みは乏しくなったな~と。
養生 やっぱり全然違うんですか?
角谷 やはり甘さのごまかし、すり替え、これはみりんの甘さの主体をなすのがぶどう糖なんですね。
80%がぶどう糖で後、二糖類、三糖類、オリゴ糖、デキストリンにいたるまで幅広い糖組成で成り立ってるんです。
じゃあその中心になるぶどう糖をお米ではなくいわゆるとうもろこし由来のぶどう糖で置き換えをしていったわけですね。
続きはこちらから☟
【関連記事】
【有機みりん】アトピーなどで困ってるお子さんを持つお母さんへ
日本の伝統的な技のみで引き出した本格みりんはこちらからどうぞ☟☟
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。