自然との調和がうまくいったとき自然栽培イチゴが生まれる

自然栽培の美味しくて安全なイチゴを安定供給する自然栽培農家・野中慎吾さんによる連載コラムです。

自然栽培イチゴ

昨年9月、10月の長雨で一度抑えた病気が再発してしまったりとイチゴたちはずいぶんと悲惨な状況に追い込まれました。

(2016.9.20 何度も水没して古葉に病斑が出る)

今年はもうダメかもと思いつつも、苗を植え替えたり諦めず障害者さんたちとイチゴのお世話をし続けて

(2016.10.28 農福連携でビニール張り)

なんとか収穫にこぎつけました。

10月10日以降は晴れが続いたので

(2016.12.9 生育は遅れながらも回復へ向かい成長し、病斑はもう出ない)

イチゴをとりまく環境も良くなって、すんなり回復へと成長が切り替わりました。

(障害者さんたちも諦めないでイチゴのお世話をしてくれました)

定植後の秋のイチゴの成長に最も大事な時期を失ったことは、その後の収穫時期の遅れと減収を招きました。

それでも環境さえ整えば、回復して成長できる無肥料下での植物の潜在能力の高さに感心してしまいます。

(2017.1.31 美味しい実が採れ始めてます)

これは自然栽培でないと無農薬の状態で、こうもあっさり回復へと切り替わることはありません。

肥料を入れているといつまでも病害虫をひっぱりますし、再発したタンソ病はイチゴでは治らないとされている病気です。

今回のケースで環境が整うキーとなったものはお天道様(太陽)の光です。

例え雨が降らなくても、厚い雲で覆われた日が続くと光が足りず、植物は光合成が満足にできなくて炭水化物(植物の体は9割これでできている)を作れなくなり無肥料でも病害虫を呼んでしまう体になってしまいます。

3日雨や曇りが続いても、その後晴れが1日あれば3日の曇りのマイナス分を取り戻せます。

3日というのはイチゴの糖度で導き出してます。

糖も炭水化物です。

晴れが続いた後でも、3日お天道様を隠されてしまうと3日目には糖度が下がってきてしまいます。

ブルーベリーもそういう傾向がみられます。

炭水化物の貯金を3日で使い果たすイメージです。

昨年の9月、10月は晴れがない状態で1か月がすぎてしまったので、これはもう完全にお手上げでした。

私たちはお天道様の代わりになるものを持っていないのです。

いつもは太陽と呼び捨てですが、今回のようにどうしようもない代わりを作れない力を前にしてお天道様と書きたくなる心境でした。

(回復してくれたので大きな花をつけるようになりました)

(皆の懸命なお世話によって花も実もたくさん出てくれてます)

(こんなに頑張ってくれるイチゴたちには感謝しかないです)

晴れた日にイチゴを見ると葉のつやや色がすごくきれいで葉の形もピンとした形になり安心して見てられるのですが、曇りや雨の日のイチゴの葉はつやが悪くて葉に色むらがあるような感じになり葉も少しうなだれます。

いちいち自然栽培イチゴが環境に正しく反応するので自然の摂理と植物の生理がはっきりわかり、道理に合う精密機械のように自然が見えてしまいます。

これに自然栽培者ははまってしまいます。

痛い目に合っても新しいルールが見えてきて面白いんです。

自然との調和がうまくいったとき、ごほうびとして自然栽培イチゴがたくさん生まれますので見かけたときはぜひご賞味ください。

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農業生産法人「みどりの里」(愛知県豊田市)農場生産責任者 野中慎吾

障害者を農業の担い手として重視する「農福連携」にも力を入れている

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