「健康道場 日々花家(ひびはなか)」主宰の松尾万葉香さんによる連載コラムです。
前回に続いて、私の思う西式健康法の特徴をお話したいと思います。
前回の記事はこちらより→ 生活の軸として取り入れたい養生法【西式健康法】
3. ナチュラル。でも科学的
西式健康法が根本的に大切にしている考え方に、「症状即療法(しょうじょうそくりょうほう」というものがあります。
これはぜひ、西先生のお言葉でご紹介したいと思います。
「症状即療法」とは
この言葉の意味は文字通りなのですが、症状そのものは病気の本体などではなく、病気という特殊な状況を改善、脱却するための一時的な反応が現れたものである、つまり、一見すると異常な状態にしか見えない「症状」というものは、病気を治療しているが故の特殊な状態、反応にすぎないのだ、ということです。
症状さえ取り除けば病気が治るという発想は完全に誤りであって、むしろ症状を応援してやる必要があります。
(中略)
西式健康法では、体に生じる反応には基本的に間違いがないと考えています。過酷な生存競争を勝ち抜いて実質的に地上最強の生命体となった人類が、進化の過程の中で備えた仕組みがそれほどお粗末であるわけがない、と考えています。
(中略)
このような考えに基づき、徹底的に人体を科学し、体系化したのが西式健康法です。
引用:西会本部HP
このように、身体の自然な働きを信じる、といった考え方、自然療法がいろいろと広まってきた今でこそ、だんだんに浸透しつつあり、当たり前に感じられる方もいらっしゃると思います。
ただ、西式健康法の面白いところは、このスタンスでありながら、徹底的に「科学」しているところだと思います。
長く続いている自然療法の多くは、経験的に効果があるとわかったものの集合であったり、現代科学とは異なる独自の体系であったり、創始者のセンスがあってこそのものであったりする部分が多いと思います。
もちろん、いずれも素晴らしいもので、私もアーユルヴェーダや野口整体をはじめ、昔ながらの民間療法や、アロマテラピー、ホメオパシー、など、興味津々ですし、実際活用させていただいています。
一方で、西式健康法は、「科学的であること」をとても重視している点が特徴といえます。
西勝造氏は、土木技師であったために、その物理的視座から、当時の医学の通説(たとえば血液循環の仕組みなど)に多くの力学的矛盾を見出し、徹底的に研究や実験を積み重ね、独自の説を構築していきました。
たくさんの書籍を残されていますが、身体の基本的な仕組みを、極めて論理的に、とてもシンプルに説明されているのを感じます。
西会本部では、いつも私たち指導士に、「もし西式健康法で説明していることについて、科学的な説明を求められて分からなかった場合は、あいまいな返事をせず本部に確認してください。必ず回答します。」と伝えられています。
実際、質問させていただくと、いつも極めて明解なお返事をくださるので、理系の私には特にとても心地よいです。
科学の良い点は、応用しやすい(状況に応じてアレンジできる)こと、他の体系と組み合わせやすいこと、そして、検証や学問的な新発見に基づいてさらに発展させていけることだと思います。
私は、西式健康法の指導士、と名乗っていますが、正直なところ西式健康法を極めたいのではなく、現代人にとって真に普遍的な健康法を追求していきたいと思っています。
なので、西式にこだわりは全然なくて、むしろもっと良い方法はないかと、私なりにいろんな方面の勉強をせっせと続けているつもりです。
ただ、話題の新しい健康法を知っても、最新の論文を読んでも、本質的に西式と言っていることが異なることはないのと、前回と今回でお話したような理由から、いつも西式をベースにアレンジしてしまっているのが現状で、結局、西式大好き人間から出られずにいます。苦笑
そんな西式健康法ですが、もしもっと知ってみたいと思っていただけましたら、おススメの本をブログに載せています。良かったらぜひ手にとってみてください。
おススメの本: 西式健康法/甲田療法について(はじめての方向け)
⇒ http://ameblo.jp/hibihanaka/entry-11566705609.html
次回は、一番ご質問の多い「栄養」についてのお話、私の食生活の遍歴について等ご紹介した
いと思います。
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松尾 万葉香(まつお まよか)
西式健康法を中心とした、生活法・養生法の指導をしています。
自然と調和した生き方を模索しているなかで、西式甲田療法と出会い感銘をうけ、指導士となりました。
その後、さらに身体についての理解を深めるため、アーユルヴェーダやヨガ、基礎医学などを学び、「健康道場 日々花家」をオープン。
現在は、1児の母として子育てに奮闘しつつ、講座や養生相談などを行っています。
(西会 西式一級司教、TAJ アーユルヴェーダライフアドバイザー)
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養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。