「水毒」に関して正しい知識と水分補給【家庭でできるドイツ自然療法でのケア】

家庭でドイツ自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求されている森 Wenzel 明華(さやか)さんによる連載コラムです。

「水毒」ってなに??水分補給と正しい知識を。

水毒という言葉を聞いたことがありますか?

わたしも今回、はじめて聞いたのですが、水を飲みすぎることで体に不調がでるという「ウワサ」があるようです。

友人が心配しているところから、調べていくうちに「水毒」というのは、中医学の分野だと知りました。

そこで中医学の専門家にお聞きしてみました。

日本の夏はとても暑いので、水は飲み過ぎても、飲みすぎるということはないと思いますが、これからの季節はだんだんと気候も落ち着いてくることでしょう。

水のとりすぎ、もしくは意識的にあまり飲まないようにする・・・ということで、「水毒」に関する間違った知識で、体に不調を招いてしまったり、また治るものも治らないというのは残念なことだなと思いました。

というわけで、正しい知識をもって、体・心・魂を健やかに保ちましょう。

「水毒」というのは、中医学の分野

水毒の考え方

水毒の考えなのですが「水」そのものが悪いのではありません。

水を摂りすぎた、あるいは体の機能の失調で水を代謝できず体に滞ったものが「水毒」とか「痰湿」と呼ばれるものです。

そして、それを除くには新鮮な水を摂る必要があると考えられます。

「流れを作って濁った水を排泄する」という考えです。

外から水を摂らずにいるとむしろ「水毒」=「濁った水」が引き続き体内で流用されることとなります。

ですから「水毒」は「極力水分を摂らない」ということもにリスクがあると考えられます。

当然ですが、水の摂りすぎは冷えますので過剰摂取は控え、温かいものを飲用されるのが良いです。

漢方薬の「水毒」を除く処方でも、生薬の作用もさることながら「水」で飲用することが重要となります。

また、中医学では現在の「膵臓」を「脾」とほぼイコールに捉えており、この「脾」が水分代謝を担うと考えています。

この脾は飲食物を取ることで働き、「気・血・津液」を作り、巡らせるので食物とやはり水の摂取が必要です。

我々であれば、水分摂取の上で脾を司る経絡や腹部・背部などへのアプローチをかけますが、代謝を良くしたり、巡りを良くしたり、利尿効果を上げたり、消化吸収を助けるハーブやレメディを活用しても同様かと思われます。

すっきりしたわかりやすい回答に、ほっとしました。ありがとうございます。

友人の友人が病にかかり、「水毒」の考えをどこからか知ったそうで、水を控えているところから・・・・「本当にそれは体にいいのか?」というところからはじまった疑問です。

今では水分補給はきちんとしているそうです。

代替療法を取り入れている西洋医学の医師にも質問させていただきましたが、水分をとりすぎてしまっていることで浮腫などがでている以外は、基本的には、「流す」流れをよくする・・・・というのは基本だと回答をいただきました。

わたしにとっても学びになりました。

許可をいただいてシェアしています。

1日に必要な水分量は年齢、性別、体質によって異なるそうですが、1.5~2リットルほどだそうです。

おおよその目安でカウントすればいいと思います。

今回の夏は、一時帰国したのですが、ほんとうに酷暑で、日本は夏は暑いので2リットルくらいは飲まないと生死に関わる感じがしました。

さて・・・水分というとなにを思い浮かべるでしょうか?

自然療法では水分というのは、まずいちばんに「質のいい水」です。

湧き水、ミネラルウォーターが一番ベスト。(神戸に住んでいた時は、水を汲みに行っていました。日本はあちこち湧き水もありますよね!)

その次にカフェインの入っていない水分、ハーブティーや麦茶など。

それから生のフルーツや野菜をつかったジュースなどは「水分」としてとらえます。

間違っても、アルコール類、市販の自動販売機などのジュース、コーヒーなどはカウントされませんので、ご注意を!

考えによっては水だけが水分とカウントする場合もあるので、意識的に水を飲むようにしたいものです。

家庭でできるドイツ自然療法でのケア

・代謝や水分に関するホメオパシーのレメディで代表的なものは「Nat-mur ネイチュミュア」です。

むくみや水分過多のときに、水分調整がうまくいかないときにも。

・生命組織塩などもドイツでは一般的なので、水分調整に「Nat-mur.」のレメディを摂ることもあります。

・また水分が過剰に溜まってしまって、体の外に出したいというときにはウリ科のレメディもおすすめです。

「Bry. ブライオニア カラスウリ」のレメディは便秘、下痢、むくみなどに。

ほら、ウリって 乾燥している中で、水分をためているでしょう。。

水分=感情 もリンクしているのです。感情をぐっとこらえている人、涙(=水分)をこらえている人にも。

・水分の流出が激しい時 (下痢・涙・発汗などなど)には「Chinaキナ」も試してみてください。

中医学でいうと、スイカなども水分補給にカリウムを多く含みますので、余分な体内のナトリウム尿・汗などで排出しやすくしてくれるそうです。

夏の野菜は、きゅうり、スイカ、ウリなどが多いのが納得ですよね。

暑いギリシャでも、夏にはきゅうりとヨーグルトのサラダを食べますよ。

ドイツでもフェンネルの葉ときゅうりのサラダがあります。

世界中を旅していると、そういった夏ならではの暑さに対する料理が、各国にあるので面白いなぁと思います。

フェンネルは整腸作用がありますし、ハーブティとしてもとても親しまれています。

各国に伝わる食の知恵や療法・・・紐解いていけば、生理学などや栄養学的にも分析することができます。

人間の本能的な知恵として、気候や体にあっていて理にかなっているのだなと改めて思いました。

まだまだ残暑が厳しい日本ですが、水分補給はしっかりして、体の毒素を流して、元気を保ってください。

今回は日本に一時帰国して、夏の暑さにいきなりやられました。デパートなどの冷房の入った屋内と、野外の差に体調を崩して寝込んでしまいました。

頭痛と鼻がつまってしまって、すごく苦しかったのですが、その際に助けていただいたのが鍼灸師の先生でした。

ホメオパシーのレメディやハーブも役立ちましたが、劇的に治ったのは鍼灸!(笑)

鍼やお灸で「湿」をとる(体に水分がたまりすぎてしまっている)ので、その治療をしていただいたのですが、1回うけただけで、頭痛がきえて、頑固につまっていた鼻もすーーーっと通りました。

驚きの効果で、感動しました!!(それをホームステイにきてくださった鍼灸師の友人に話すと、それはふだんから健康的だからですよ、薬漬けだと、そこまで効果がでませんよ。と言われましたが・・・。いざというときのための療法、西洋医学も含めて。いつものケアがちょっとは役にたってるんだなと嬉しかった体験です)

できるかぎり自然の方法で、いつも元気ですごしたいなと改めて感じた一件でした。

そろそろ朝夕がぐっと冷え込んできたドイツより、みなさまの健康を祈っております!

今回お話を伺った湯浅先生のプロフィールです。

こちらの学校で昨年にドイツの自然療法のお話をさせていただいたのですが、湯浅先生をはじめ先生方もすごく感じのいい学校でわたしも機会があれば、こちらで鍼灸を学びたいな~なんて思いました。ありがとうございます!!

湯浅 陽介(ゆあさ ようすけ)先生
1974年富山県生まれ。あん摩マッサージ指圧師、はり師きゅう師の資格取得後、教員養成科にて同教員資格取得。東京八丁堀の東京医療福祉専門学校に専任教員として勤務。学科と実技の授業を担当。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を活かし、週末は都内施術所にて臨床に従事。東京医療福祉専門学校

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森 Wenzel 明華(もり ウェンツェル さやか)

著書「ハーブ療法の母ヒルデガルトの家庭でできるドイツ自然療法」(BABジャパン)「ホメオパシーってなぁに?」(ホメオパシー出版 )

「誰でも家庭でできる自然療法」がテーマです。持ち前の好奇心と行動力でドイツでは、自然と共に生きています。家庭で自然療法や手作りの暮らしを実践しながら、自然からの癒しを探求しています。

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