大切に感じているのは「心の作用」「身体の声」そして「感謝」

「健康道場 日々花家(ひびはなか)」主宰の松尾万葉香さんによる連載コラムです。

次回は食について書きます、と宣言しながら、実は何を書いたらいいか考えてしまっていまし
た。

というのは、食にまつわる健康法はもう本当にたくさんたくさん溢れていて、私自身これまで
色々と学び実践してきたつもりなのですが、最近、誤解を恐れずに言うと、「何を食べるべき
か」という議論に、なんだかスーッと興味が薄れてしまったフシがあるからです。

もちろん、どんな説も、いずれもある意味においては理にかなっていて、正しく行えば、実際
に効果も得られます。

それらは一時的な体質改善のためには素晴らしいものだと思うのですが、ただ、一生続けてい
く「食事」というものを考えたとき、あまり重要でないように感じるようになってきました。

なにかの理論に基づいて、頭で良し悪しを判断しながら食べることが、長期にわたって心身を
健康にしていくことに、なかなか繋がりにくいように感じるようになってきたからです。

その理由の一つは、「身体の声」という観点です。

頭で理屈を考えて、これはこういうふうにいいはず!と思って食べていると、身体の感覚を捉
えにくくなっていくのを感じます。

本来は、今の自分に必要な食べ物は、身体が知っているはず。その身体の声をきいて、本能の
欲するがままに食べるのが、一番良いはずです。

それが、頭偏重で身体を固めて日々生活している私たち現代人は、かつてないほどに鈍感にな
っています。

そこに、たくさんの知識が入って、ますます身体と行動がバラバラになってしまっては、かえって健康から遠ざかってしまいます。

たくさん知識がある人よりも、何も知らずに好き放題食べている人のほうが健康に見える、と
いう事態がまま起こる所以かと思います。

知識は、あくまで身体の要求を捉えるためのツールとして、うまく使う。

そのためには、どんなに真実と考えられるような説でも、ほどほどに、そんな考えもあるみた
い~♪、くらいにゆったり構えておくのが、ちょうど良い気がしてきている今日この頃です。

また、もう一つの理由、さらに大切に感じているのは、「心の作用」です。

そもそも本来の自然な食事とは、その時々に手に入ったものを、ありがたく食べるもの。

食べ物への無条件の感謝があればこそ、食べた物が身体に良い栄養となって働くように思いま
す。そんな食事ができると、心も深く満たされていきます。

一方で、「良い」食べ物を判断するという行為は、必然的に、「悪い」食べ物が存在することが前提ですね。

つまり、良いものを選んでいる時点で、否定の感情を持って食べるという事態になってしまうのです。

それって、なんだか貧しいと思うのです。

さらには、その「選択」の意識が、自分と同じ選択をしない人たちに対する優越感にも繋がっ
ていきやすい、という危険性を孕んでいるように感じます。

例えば肉食vs菜食とか、糖質制限vs玄米食とか、色々ありますが、そういった議論を見ていると、そもそもの食べられることへの感謝があったらとても出てこないように思える言葉遣いが散見されるようで、寂しい気持ちになります。

そんなふうでは、なんのための食養生か分からなくなってしまいます。

私自身、長い間このジレンマに陥っていました。私は元来、勉強することそのものが大好きなところがあります。

特に食に関するいろんな説については、どれも興味津々で、一見矛盾するような説について、
その理由を紐解いていって、こういう人にはこういう食事がいい!を発見していくのはとても
楽しくて、そうして得た知見を、自身の養生や、健康指導に活かしてきました。

さらに、自然環境を守る、とか、食の安全、といった正義をかかげて、自然食が正しいもの、
と力んだりもしてきました。

ただ最近、田舎に引っ越したり子供を授かったりしたこともあり、身体の状態をよく感じる機
会や、本質的な健康について思いをはせる機会が増えるようになってきて、ふと振り返ってみ
ると、食べた物そのものの是非よりも、それをいただくときの心のコンディションのほうが、
身体への影響が大きいということに気づきました。

(もっと言うと、料理の作り手のコンディションもあるのですが、話がずれてしまうのでこれはまたの機会に…)

食べ物への無条件の感謝

例えば、同じおにぎり一つでも、TVやPCを眺めながら食べるのと、緑のなかで「〇〇農家さ
んの今年の新米はまた美味しいなー」なんて生産者さんに思いをはせながらいただくのとでは
、心だけでなく身体への影響も全然違って感じらますよね。

もっと言うと、大体、食べ物だけで健康になるのは言うまでもなく不可能な話で、普段の生活
全般、生活習慣や運動、環境、そして、詰まるところ精神性の影響のほうが、影響は大きいよ
うに思います。

100点の食事を探し求めるより、80点の食事を感謝していただき、しっかり運動するほうが良
いです。

そんなことを思って、最近は、何を食べるかはそんなに重要ではなく、無理せず手に入る範囲
でなるべく身体の声を聴いて、好きなものや心地よいものを食べたらいいんじゃない?という
感じになってきています。

もちろん、人工的に不自然な食べ物は、理性の力でなるべく避ける必要はあると思います。

本能は人工物を知らないので、そこまで本能でコントロールするのは無理です。

では80点の食事とは?

まず無難なのは、私たち日本人にとっては和食だと思います。伝統粗食で良いのではないでし
ょうか。

和食っぽいもので、自然なものを、心地よいように、でもほどほどに。。といった感じでしょうか。

なんて書いてしまったら、健康道場なんて言いながら何でもいいのか??それじゃあ体質改善
にならないんじゃ??なんて突っ込みをいただいてしまいそうですね。

次回は、うちでは現在どんな食事をお出ししているか、を書いてみたいと思います。

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松尾 万葉香(まつお まよか)

西式健康法を中心とした、生活法・養生法の指導をしています。

自然と調和した生き方を模索しているなかで、西式甲田療法と出会い感銘をうけ、指導士となりました。

その後、さらに身体についての理解を深めるため、アーユルヴェーダやヨガ、基礎医学などを学び、「健康道場 日々花家」をオープン。

現在は、1児の母として子育てに奮闘しつつ、講座や養生相談などを行っています。

(西会 西式一級司教、TAJ アーユルヴェーダライフアドバイザー)

HP: http://hibihanaka.jp/

blog: http://ameblo.jp/hibihanaka/

FBページ「日々花家の食卓」: https://www.facebook.com/hibihanaka

FBアカウント「松尾 万葉香」: https://m.facebook.com/mayoka.kanada

youjo-labo編集部

養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。

 

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