医学博士、池川クリニック院長。胎内記憶でも有名な池川明さんにお話を伺っています。
ワクチンを打つかどうかは意見が、打ったほうがいい、という人と打ってはいけない、という人に分かれます。
ちょっと極端すぎて、打たないほうがいいではなくて、絶対打っちゃいけないという人もいます。
打たない派の小児科医、真弓貞夫先生は通常、「普通の生活をしている人は」ワクチン打つなって言ってるんだけど、よく聞くと「打った方がいい人と打たなくていい人といるよ」って言ってるんです。
昔全国の子どもを調べて、1歳くらいの子の平均体温が38℃、ほとんどの子が37℃越えているんですよ、そういう子達は免疫があるからそういう風に自然に生活してる子達はワクチンいらないんじゃないの?って言ってるんですね。
でも今35℃台の子達もいますからね、そういう子達は病気になったらひとたまりもないですからね、それは打たなければいけないんじゃないの?ってお話されてるんです。
そこを省いてしまって、ワクチンは打たなくていいところだけ取り上げて、自分の子の体温の平均が35℃台なのに、打たない人が出てくるんです。
ワクチン接種もケース×ケース
そーすると危ないですよね。それからワクチン効かないって言われてますが、やっぱり効いてるんですよ。
それも麻疹(はしか)だとか脳炎にかかって重症化したらそれこそ一生病院におせわにならないといけない状況になってしまうこともあるわけです。
インフルエンザもそうなんです。インフルエンザも年間に50人くらい脳症で入院が必要になるんです。しかしワクチン受けてる子で重症化した子はいないと言われています。
ワクチンを受けても感染する場合があり、効果がないと言われていますが、脳症を発生するかどうかで見ればワクチンを受けていれば予防できるのですね。
ーーーでもかかった時に打てば大丈夫なんですよね?
間に合うかどうかギリギリですよね。かかった時にワクチンを受けても、たいていもう遅い。
だから効かないからって打たない人もいるんだけど。
小児科の先生は具合悪くなった時ばっかりみてるでしょ?すると重症化したお子さんだけ見ているからワクチン打てば防げたのに、と考えます。
一方、普通のお母さんたちは具合悪くなったときみてないんですよ、健康なその子ばっかりをみていて、罹っても自然に治って育子だけを見ているので、罹っても重症化することがあるというのは知らないんです。
だから当然考え方変わってきますよね。
例えば車乗るときに、交通事故起を処理する現場をたくさん見ている人は、車は怖いものだから安全運転するか、車に乗るのをやめるかもしれませんよね。
でも普通の人は無事に何の疑問も持たず乗りますよね。車に乗るからと言って、交通事故を起こす確率はある程度あります。
怖いと思って車を見るのか、便利だと思ってみるのか、そのくらい人によって同じことを見ても違った感覚を持つんですよ。
判断するのは自分です
いつもよくワクチン打ったほうがいいですか?打たない方がいいですか?ってよく聞かれますが。僕は「好きにしたら」と言います。「あなたはどうしたいの?」って聞くんです。
「打ちたくない」「じゃあ、やめとけば」と。「打ちたい」「じゃあ、打ったら」と。それは見てるとこが違うから。
交通事故起こして、知ってる人はシートベルトしないとまずいでしょと。車乗らなければ車の事故はないですよね、ひかれることはあっても。
車乗っての事故はないから。乗らなきゃ事故起こさないわけですよ。でもほかの事故は起こすかもしれない。
小児科の先生は、具合悪くなった子ばっかり見てるから、ワクチンさえ打っておけばここまでならなかったのにという状況をたくさんみてるから、打ちなさいって言うけど。
お母さんたち側からするとなんで打たなきゃいけないの?って意味ないじゃんって思うわけですよ。
だからどちらの見方をするのかって話ですよね。さらに日本では強制じゃなく任意だから。結局好きに選んだらいいんじゃない、ということですよね。
ワクチンの原材料は危険!?
ーーーワクチンの原材料が水銀が入ってたりだとか悪いものばかりだと言われていますが・・
今水銀が入ってないものもありますけどね。でも水銀抜いたら打つのか?って言ったらそれでも打たない人は打たないですよね。
ホメオパシー的にはいらないだとかも言いますよね。でもね、それは言い過ぎ。どっちでもやったらいいとかやらなかったらいいとか言い過ぎですよね。
言ってもどっちが効くかなんてわからないんだから。その人によって違うんだから。だから自分で判断して決めるしかないんですよ。
人生と一緒ですよ、右行くのか左行くのかどっち行ったらいいのか正解なんてないんですよ。
自分で決めるしかないんですよ。その連続の中で、情報を得るのはいいんだけど、情報に振り回されて信じてたら違った方に行くってあるんですよ。
ーーー 一方のことしかみなくなりがちですよね。
そうなんですよ、だから両方見てバランスを見るのが大事なんですよ。両極端の意見というのは必要なんですよ。
ほとんどの方は左右ではなく、真ん中で動いてるんです。
しかし両極端がどうなっているのかを知っておいた方がいいです。知らないと一方だけみて信じちゃいますからね。
だから人を陽動するのは簡単ですよね、革命も本当は簡単におこせますよね。みんな乗りやすいから。プロパガンダで洗脳すればいいのです。
人間はいかに洗脳されやすいかってことですね。
例えばその国の人、一人一人に会ったらいい人ばかりなんですけど国と国になると、どうしてああも簡単に洗脳されてしまうんでしょうね。
ちゃんと自分で情報を集めて考えましょうね。ワクチンに限らず、育児でも同じですよ。
ーーーワクチンにもデメリットはありますよね?
もちろんありますよ。副作用もあります。ゼロではない。だからゼロでないから打っちゃいけないって人もいるんですよ。
でも車で死ぬことあるから、車乗っちゃいけないってロジックと似てますよね。
じゃあなんで事故を起こして死ぬことがあるって知っているのに車に乗るの?
便利だから。ということですよね。なのでメリットとデメリットどちらに重きを置くか、じゃないですか?
全て完璧に安全なものなんてないわけですから。
車で死にたくないと自転車乗っていたら、自転車事故で死ぬこともある。要は一つだけ見ていると、全体を見失いますよ、ということではないかなあ。
ワクチンという問題
ーーーワクチンの問題は難しいですね。
ワクチンはね、「生き方」の問題なんです。どれがいいとかじゃなくて、あなたはどういう生き方を選択しますか?という問いかけなんです。
究極の自分で決めるという選択肢を子育ての人生で一番最初にお母さんがする決定かもしれませんよね。
だからとてもいいことだと思います。
考えずに打つより、打つかどうか考えるということは自分たちの人生をどうするか考えるすごく大きなチャンスなんですよ。日本はそれができるんですよ、チャンスがあるんです。
だから両方の意見を聞いてあなたはどうするんですか?ということを自分で決める練習ですよね。
でもやっぱり打たなくて病気になっていいと思って自分でそれを選択した人は、病気になったら自分で治すくらいの覚悟は必要です。
打つにしても打たないにしても、どちらも覚悟は必要ですよね。
人生に自分で責任を持つ、という練習には、もしかするとワクチンの問題って、とてもいいのかもしれませんね。
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池川明プロフィール
1954年、東京都生まれ。帝京大学医学部卒・同大大学院修了。医学博士。
上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、89年、神奈川県横浜市に池川クリニックを開設。
サイトはこちらから⇒池川明ドットコム
主な著書に「子どもはあなたに大切なことを伝えるために生まれてきた。 (青春文庫)」「ママのおなかをえらんできたよ。」「ママ、さよなら。ありがとう」などがある。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。