愛知県豊田市を中心に６店舗あるスーパーやまのぶの会長にお話を伺ってきました。
農業生産法人「みどりの里」や、契約農家で栽培した有機野菜を、自社ブランド「ごんべいの里」として販売しています。
前回の記事はこちらから⇒農薬アレルギーの人が増えている？【自然栽培のお米】
食べてみてわかるんだけど、味は有機栽培の方が食味はいいし、甘味もある。でも量は食べれないね。
植物性肥料だと味が淡白になるんです。自然栽培はもっと淡白ですね。だからいくらでも食べれちゃう。
これが野菜本来の味だと思います。
色々食べてみたんだけど、硝酸態窒素の値が３０００ppm以下でないと私は食べれませんね。それ以上いくと苦くて食べられない。
普通だと６０００、７０００でも美味しいって食べますから、やっぱり微妙な味の違いは難しいですね。
ただ小さい子供は瞬間で読み分ける。これは本能なんだろうね。
ーーー会長はわかるんですよね？
そりゃわかりるよ、何十年やっとると思っとるだ。
農家さんが持ってきて、最初の見た目でだいたいだけど７割くらいはわかる。
これはどのくらい農薬を使ってるなとか、色だとかでね。それでわからない時は食べてみる。
口に含むと、９０％くらいはわかります。農薬を使っていると、舌がしびれるんです。
今は特にファストフード、コンビニ、チェーン店などが多くて安いじゃない？
なんで安いかというと、ああいうところは基本的に味が濃いんです、なぜかと言ったら味を濃くしないと食べれないから。
例えばお肉でも、良いものだったら塩、コショウで十分なんですよ。それだけ素材が大事だって事なんだね。
自然栽培の野菜は抗酸化力がすごい
ウチの自然栽培の野菜は医療にも使っているんですが、これは何故かと言うと自然栽培の野菜は抗酸化力がすごいのが分析してみてわかったんです。
これはウチのみどりの里で作ったほうれん草です。
出典：季刊書籍『自然栽培vol.7』（分析機関：
全国平均値（3月）と比較すると、糖度・抗酸化力・ビタミンCに関して大変高い傾向の値になりました。硝酸イオンにおいては検出下限値以下の非常に低い値になりました。自然栽培の農産物は、生産者と圃場環境にもよりますが、全般的に抗酸化力が高く、硝酸イオンが極めて低いものです。
ーーー消費者的には自然栽培や農薬使ってないのができるだけ安く食べたいってのがあるじゃないですか、でも売る側からしたら量が取れないので高く売らないとやっていけないんですよね？
これはね本当にジレンマでね、結局お客さんが千円持ってきて、二千円の物は売れないんですよ。
だから千円持ってきたら、千円で買えるようなものをなるべく作ってあげるのが大事だと思います。
やっぱりお金持ちが食べるだけでは意味がないと思うんです。
「安心・安全」は私の原点ですから、私は普通に売っている１.２～１.３倍で有機栽培を売っています。
自然栽培はちょっと難しいんだけど・・・でもウチの自然栽培はそんな感じで売っちゃうけどね。
ウチからできたものはね。他のところで仕入れるのはできませんけど。
私は本当にお金に余裕がなくても、本当に欲しい人が買える値段にしてあげたいんです。
ーーー本当にすごいです。それはやまのぶがあるから成り立つのであって普通の農家はできないですよね？
それは会社が応援していないと難しいよ。今、これで５、６年目ですがやっとこさプラマイゼロになりました。
それでも給料は安いですよ。それ以上は払えないですから。だから自分で寮を作ったんです。３LDKで３万円です。
ーーー安っ！空いてないですか？（笑）
空いてない（笑）結局そのくらいの大きさだと７～８万円かかるじゃない？
そうなると５万円違うじゃん、そうすると給料が安くても生活ができますからね。後、それと食費が普通の３分の１くらいですみますから。
だから欲のない会社が応援することで農業は成り立ちますよ。営利を目的にすると絶対にできない。
私もこれ（ごんべいの里）を始める時に、社員に言われたんです。
「社長こんな赤字のものどうするの？」
そんな事言われたから、「じゃあ私の給料０にしとけ」って言いましたよ（笑）
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スーパー やまのぶ
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梅坪店：愛知県豊田市東梅坪町8-2-1
市木店：愛知県豊田市市木町岩本20-1
「ごんべいの里」ブランドをはじめ、体に優しい食材を使用しているレストランも４店舗あります。
養生ラボ編集部です。インタビュー取材、連載コラム編集など。
