異性化糖「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」について

(2019.1.25 改訂)

よく清涼飲料水に入っているぶどう糖果糖液糖とは、

高フルクトース・コーンシロップ=異性化糖(別名「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」)天然甘味料と言われています。

1970年以降、アメリカを中心に色んな加工食品やソフトドリンクに使われるようになりました。

異性化糖製品は日本農林規格 (JAS) で以下のように制定されています。

ブドウ糖果糖液糖

果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が 50% 未満のもの。

果糖ブドウ糖液糖

果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のもの。

高果糖液糖

果糖含有率が 90% 以上のもの。

砂糖混合異性化液糖

上記の液糖に 10% 以上の砂糖を加えたもの(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)。

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作り方は、まず主にとうもろこしでんぷんのコーンスターチを原料に、でんぷん液を酵素でブドウ糖液に分解してから、またそこから別の酵素で果糖液に変化させてそのブドウ糖と果糖を配合させると、甘みが強いシロップの出来上がりです。

この異性化糖はジュースにかなりの高確率で入ってます、裏の原材料を見てみると「糖類(砂糖、果糖ブドウ糖液糖)」と書いてあるのをよく見かけます、ほとんどじゃないのか?ってくらい入ってます。

高果糖液糖もジュースなどに入っているみたいですが、まだ見た事はないです。

異性化糖の価格は安く、果糖分55%の異性化糖の場合で砂糖の約7割程度です。食品分野では、清涼飲料・パン・缶詰・乳製品などで砂糖と同様に大量に使われています。

引用: 異性化糖って、何だろう?

そしてこのように砂糖に比べて価格も安いので甘味料として、お菓子から調味料など、例えばドレッシング、納豆のタレ、醤油まで幅広く使われています。

異性化糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)で上記の割合で入っていて、良く見るのが果糖ブドウ糖液糖なので果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のもの、ということになります。

果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のものは実際どのくらい入っているかは正確にはわかりませんが。(調べると、半分くらいの割合だとされているのがありました)

まずブドウ糖と果糖は単糖類(分解されない最小単位)に当たり、砂糖の主成分はスクロース(ショ糖)と言い、ブドウ糖と果糖が結合した2糖類(乳糖など他にも)に当たります。

砂糖を摂ると小腸で分解されてブドウ糖と果糖に分かれて吸収されて血液に入ります。この反応は短時間で起こるため、血糖値を急激に上昇させるとwikiに書かれています。

砂糖はブドウ糖と果糖が50対50なので、例えば果糖ブドウ糖液糖の果糖含有率が 50%だとすると、吸収される時はほぼ似たものになります。

しかし異性化糖はブドウ糖と果糖の単糖状態なので、吸収される際に酵素分解も必要ないので砂糖よりもさらに吸収が早いみたいです。

ブドウ糖と果糖の違いは代謝経路の違いでブドウ糖は小腸で吸収されて、血液、門脈から肝臓に運ばれ、肝臓や筋肉でグリコーゲンに蓄えられたり、血中に出て、血糖値を上げてインシュリンを分泌させブドウ糖を細胞に取り込む。

体の細胞はブドウ糖をエネルギーとして利用できるので燃焼できます、その残りが中性脂肪になります。

果糖は・・

果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。

ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。

引用: 果糖と血糖値と中性脂肪。ドカベンさんに合掌。

上記のように、果糖は肝臓で直接代謝されるので血糖値をほとんど上げないのです。

ただ果糖のGI値は20くらいあるみたいですのでその分は上がります。

果物などのGI値が概ね低いのはこの為ですね。果物でもGI値が高いのもあります、例えばバナナ、パイナップルなど。

バナナはデンプンなども入っているので糖質含有量が多いのでGI値が高めです。

しかし果糖は、上記の様に血糖をほとんど上げませんが、肝臓で中性脂肪などに変換されブドウ糖に比べて脂肪になりやすい=太りやすい、脂肪肝にもなりやすい。

異性化糖を含んだジュース(清涼飲料水)が肥満、II型糖尿病を招くことも報告されています。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7219473.stm

↑1日に2種類以上の甘い清涼飲料を摂取する男性は、痛風のリスクが85%高く、1ヵ月に1回未満の飲酒をした人と比較した1つの研究が示唆していると報告されています。

ブドウ糖より果糖の方がAGE(終末糖化産物)を作り出しやすいとも言われています。

他にもブドウ糖は空腹ホルモンであるグレリンを抑圧し、食欲を抑えるレプチンを刺激しますので満腹になりやすい。果糖はグレリンを抑える効果はなく、脳とレプチンの通信を妨害します。なのであまり満腹になりにくいから食べ過ぎてしまう可能性があると「医療ビジネスの闇崎谷 博征 (著)に書かれていましたが・・

果糖と言えば果物です、果物は太りやすいかと言うとそうでもなくて果物の糖は主に果糖ですがそれだけではなく、基本的に果物は水分が多くてその他にもビタミン類、ミネラル類、食物繊維も入っていますので、果糖の害は緩和されると思います。

果物を食べていて、止まらず食べてしまうという事は今まで経験はないです。

そして果糖以外にも、ブドウ糖やショ糖も入っています。

例えば、リンゴ1個(約240g)のカロリーは約150kcalであり、ビタミンC含量は8mg、遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいだそうです。

引用: 果物の糖質含有量

もちろん果物も摂り過ぎは良くないですが、異性化糖よりは断然良いです。

異性化糖は砂糖より甘味があると言われていて、ジュースの場合それだけでは甘すぎて飲めないから他の添加物(香料、酸味料)などを混ぜて飲みやすいようにしてあるのが多いです。

ここまでの話で果糖が悪いのかと思ってしまいそうですが、この記事を見てください。

→ 「フルーツだけ生活」の意外すぎる健康効果

果物だけ生活は極端でやりたくもないですが、この様に果物だけで7年くらい生活している人がいるみたいです、写真を見ても太っていないですし、記事を見る限り健康みたいです。

フルーツを一日に冬場は1キロ、夏場は2キロ食べるみたいですが、これだけ食べてれば前述の果糖の害がでてもおかしくないと思いますが、中性脂肪も増えず太るどころか痩せていったそうです。

果物の果糖は食物繊維の影響もあり、ゆっくり吸収されるとも言われているので違ってくるのかも知れませんし、ジュースに入っている果糖ぶどう糖液糖とは違い、フルーツは咀嚼もしますのでその面でも変わってきます。

肥満はもちろんの事、色んな病気の原因になるとされてきた果糖ですが、

フランスによる9件のコホート研究での大規模メタ分析では、毎日果物を食べている群では心臓病のリスクが7%減少、9人の男性を対象に6ヶ月間の果実食(フルーツ82%、ナッツ18%)を実施したところ、被験者はかなりの体重を落とし、肥満の人は普通体重の人よりも多くの脂肪を落としたとの報告もあります。

天然の果糖と人工的に抽出した果糖(遺伝子組み換えの可能性が高い)とは別物。このように悪いとされているのは異性化糖の果糖で、果物やはちみつなどの天然の果糖は良いのかなと思います。

砂糖はブドウ糖と果糖が50対50ですが、こちらの果糖はどうなのかはわかりません。

そしてこの異性化糖の最大の良くないと思うところは、

遺伝子組換え

この異性化糖は主にトウモロコシで分解されて作られているのですが、アメリカ合衆国ではコーンスターチ(トウモロコシから作られたデンプン、低コスト生産のため殺虫能力を添加した遺伝子組み換えトウモロコシが主に使用される)を原料に使っているため HFCS (high-fructose corn syrup) と呼ばれています。

日本の異性化糖の市場規模は、年間800億円 – 1,000億円。10社(日本スターチ・糖化工業会)が9割のシェアを握る構造です。

日本に流通する穀物とうもろこしは約1,490万トン輸入実績(2014年)があり、第1位の輸入先は米国で約84.9%を占め、日本ではとうもろこし輸入の殆どを米国に依存しています。

2013年の米国のとうもろこし全作付面積に対する、遺伝子組換えとうもろこし作付面積比率は90%だそうです。

農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究推進室より

今はさらに増えているのじゃないのかと推測します。

これらを見てもわかりますが、原料には遺伝子組み換えが使われている可能性が大きいです。

遺伝子組み換えはできるなら避けたいところです。(全ては間違いなく無理ですが)

果糖ブドウ糖液糖の方が砂糖より中毒性がある、そんな実験もあります。

16~25歳のお腹をすかせた24人の男女が対象で、それぞれ果糖ブドウ糖液糖と砂糖を含ませたジュースを飲み、その後チョコレートケーキなどの画像を見てもらいます。

そして、どの程度お腹がすいたかを答えてもらったところ果糖ブドウ糖液糖を含んだジュースを飲んだ方がより強い空腹感がでました。

さらに脳MRI検査で「快感・報酬」の中枢といわれる側坐核の興奮度合を調べると、果糖ブドウ糖液糖の方がより興奮度合が強かったという事も報告されています。

ちなみにテーブルシュガーも果糖ブドウ糖液糖も果糖とブドウ糖の割合が同じくらいなのに、果糖ブドウ糖液糖により中毒性があるのかは現時点では分からないとのこと。。

(果糖ブドウ糖液糖は、原材料の遺伝子組みかえコーンの問題、生成過程で不純物がたくさん含まれているなどが考えられますが。。。)

引用 Dr.崎谷博征のFBより

加糖飲料には中毒性があるという米国カリフォルニア大学デイビス校からの研究報告(2018年)もあります。

1日に少なくとも3本の加糖飲料を飲んでいた25名の参加者が、まず5日間通常の飲料を飲みその後3日間は水とプレーンな牛乳だけを飲むように指示しました。

その3日間の中断の間に彼らは「頭痛、作業意欲の低下、満足感の欠如、集中力の低下、加糖飲料の切望」などを訴えたそうです。

一般的な加糖飲料は異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)を使っていることが大半です。前述の脳MRI検査のように果糖ブドウ糖液糖の中毒性が強いのがわかります。

甘いものやお菓子を食べない人でも、ジュースは飲む人は結構いると思います。

ジュースだと2本~3本くらいは簡単に飲めますし、家にも常にジュースが置いてる可能性が高いわけです。

現に僕も10代~20代の頃はアクエリアスなどを水がわりに飲んでましたからね。

異性化糖はジュース以外でも、結構使われていますので気をつけていた方が良いです。

ただ全て0にできるかと言ったら、できないと個人的には思っているので大体くらいでちょうどいいんじゃないかなと。

ジュース(清涼飲料水)は人口甘味料なども入っていることもあるので、とりあえずジュースをやめるだけでも体質、変わるんじゃないかと思っています。

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