安すぎるモノには裏がある、ただ高いものが必ずしも良いモノとは限らない。

1986年の創業以来自然栽培を普及し、医者にもクスリにも頼らない自立した生き方を提唱してきたナチュラル・ハーモニーの代表・河名秀郎さんにお話を伺っています。

前回の記事はこちらから⇒腐る野菜と枯れる野菜【腐敗実験】

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ーーー自然栽培だと収量が落ちると聞きましたが、どうなんでしょうか?

これは量がどれくらいが適正かという見方で変わってくると思います。

例えば、大根だと一般的に植える本数が一区画でどれくらい植えるかの目安みたいなものがあると思いますが、肥料をしっかり施して、なるべく隙間なくたくさんの大根を収穫しようとするプランの人は収量は当然多くなります。

しかし、肥料を使用せずゆったりとのびのび大根を育てようというプランの人は前者の大根より植える本数が少なくなり、自ずと収量としては少なくなります。

また、トマト、ナスなど実を取る作物でも、いかに長い期間収穫できるかが収量に直結してくるといいますが、一般では、追肥をし続けることでその目的を達成させます。

が、一方で虫や病原菌との戦いは常につきまといます。それが果菜類がそこまで農薬を使わなければならない理由だと考えられます。

要は、一言に収量と言っても、単に多い少ないという話ではないんじゃないかと思います。

私の目からは、一般の農産物は肥料の力で収量や生育速度が過剰に多く、速くなりすぎていると見えるんですけどね。

一般的な人間側からの収量重視の視点で見れば、自然栽培のものは少ないと感じるでしょうし、自然側からすればそれを過剰と思うでしょうし、どこに視点を置くかでその判断は変わってくるんだと思います。

ただ自然栽培の論文を読んでいると、土の肥毒が解消され、あたたかく、やわらかく、水はけ・水持ちの良い土という3つの要素を満たすことができ、種においても自家採種を繰り返すことで種毒を解消し、

かつその地域にマッチングしていったら収量も適正という枠を越えられる可能性は高いと書いてあります。

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ーーーどのくらいの時間が必要なんですか?

こればかりは私にもわかりません。

わからないのだけど、自然栽培歴30年くらいの生産者の話を聞くと、土と種の清浄化に比例して収量も安定してくることは過去の推移から実感としてあるので、この先十分ありえると言っていました。

ーーー収量も増えていけば値段も少しずつ安くなるということですか?

もちろん、物理的にはそうなんでしょうけど、私とするとそれまでの年月、そして努力と熱意には敬意を表しますし、それはそれなりの価値を付加すべきだと思っているので、ただ単純に量が多く取れるようになったからその分、安くなるよと一言ではいえないですね。

ーーーそうですよね、ただ消費者側からすると、高いのはわかるのですが高すぎると買えないかなと・・

その通りだと思います。

なのでまず、どのあたりの値段が適正なのかということを我々消費者が判断できるようにならないといけません。

当然高すぎてもダメだけど、現在の大量生産・大量消費型の経済効率優先主義の社会において、求められたものは「より安いもの」。「質より量」、「命よりも経済効率」。

それが当たり前になってしまった目からは、本物は皆高く見えてしまう。

ーーー確かにそうですね。

安すぎるモノには裏がある

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卵でも一般のケージ飼いの鶏の実情はひどいことになっているわけで、陽にも当たらず、動くこともできず、その上、粗末な餌に、抗生物質、ワクチンなどの薬剤まみれ。

そんな卵は例えばスーパーでは一個15円。

一方で平飼いでちゃんと育って産まれた卵は一個60~100円とかになりますよね、それは飼育しているプロセスを持って換算したらそうならざるをえないわけです。

そこで卵は5倍くらい値段は違ってきます。

牛乳も放牧の自然に沿った飼育で育った牛の牛乳だと1L1000円くらいが妥当な金額だと思います。

1L198円なんていう価格は不可能なんですよ、もっと言えば、198円でも高いくらいです。

卵が一個100円、牛乳が1L1000円だったら、毎日食べれないじゃない?そんな声が聞こえてきます。

だとすれば、毎日食べなければいいんです。そしてまた毎日食べる必要がないんです。

そんな間違った食生活、そして低価格帯の常識を作り上げたのは、命を命としてみなさない経済だけに重きを置いたこの大量生産・大量消費の恐るべき洗脳だと私は思っているんです。

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安いモノ、特に安すぎるモノには裏がある。

だからと言って高いものが必ずしも良いモノとは限らない。では、何を見て、どこを基準にすればいいのか?

私は、それを自然か反自然かという視点で判断しています。

野菜や米にとっての自然は?

牛や鶏にとっての自然は?

その命が脅かされているか、否か、そこに重きをおいて、その価格が適正か否か。

今、まさに私たち自身が自らを守るための判断力が問われるときに来たのかもしれません。

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河名秀郎(かわな・ひでお)

1958年東京生まれ。國學院大學卒業。

千葉県の自然栽培農家での研修を経て、ナチュラル・ハーモニーを設立し、自然栽培野菜の移動販売をはじめる。

業務用卸売り事業、自然食品店、自然食レストランなどの衣食住全般を統合した「ナチュラル&ハーモニック」を展開、また自然栽培に特化した個人宅配も展開している。

生産者に対しても自然栽培の普及を目的に設立した「自然栽培全国普及会」を運営し、日本各地、韓国にも赴き、各種セミナーを開催している。

自然栽培全国普及会HP http://www.jnhfa.com

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2017年4月〜2018年3月 12回連続セミナー 東京・横浜

2017年4月〜9月 6回連続セミナー 新宿・中目黒・千葉

詳細はHPにて: http://www.naturalharmony.co.jp/school/booknow.html

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主な著書に「ほんとの野菜は緑が薄い (日経プレミアシリーズ)」「自然の野菜は腐らない (カルチャー・スタディーズ)」「野菜の裏側 ―本当に安全でおいしい野菜の選び方」などがある。

HPはこちらから⇒ オフィシャルサイト「ナチュラル・ハーモニー」

ナチュラルハーモニーの定期宅配はこちら⇒ ハーモニックトラスト

ナチュラルハーモニーのWebショップ⇒ mai

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安すぎるモノには裏がある、ただ高いものが必ずしも良いモノとは限らない。
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