女性は7の倍数・男性は8の倍数で体は変化する【陰陽・気血津液精・臓腑】のバランス

看護師や療法家を含む医院・施設専属のクリニカルアロマケアチーム タッチケアサービスさんによる連載コラムです。

中医学視点から観る~女性のからだ~

月1回産後ケア連載コラム。早くも12回目。なんと丸一年を迎えました。

いよいよ「中医学視点から」の産後ケアコラムは最終回となります。今回は産後ケアにまつわる総合まとめ編として中医学視点から観る「女性のからだ」について書かせて頂きます。

ちょっと難しい内容になりますが、同時に初回の「産後ケアに中医学理論をとりいれることのすすめ」をはじめ、過去の記事をご一緒に読まれることをお薦めします。

産後ケアに中医学理論を取り入れることのすすめ

中医学視点から観る産後の冷え

湿気が多くなると【気】の動きを妨げ体に悪影響を及ぼす

何故ならば、中医学視点から観る体全体のイメージが観えてきますし、聞きなれない専門用語の意味もおのずと理解できるからです。

あえて、今回でてくる専門用語についての細かな解説はしませんのでご了承下さい。

養生の知恵を使い、自分の体と心の声に合わせた生き方

一時、テレビのあるコーマシャルで「女性は7の倍数・男性は8の倍数で体は変化していきます」という言葉を耳にしたことがあると思います。

中医学では女性の7年ごと・・・を目安に体の【陰陽・気血津液精・臓腑】のバランスが変化していくと考えられています。

21歳で女性として成熟の時を迎えて、35歳を境に少しずつなだらかに下り坂になっていくと言われています。

これを聞いて「これって老化のこと?」とショックを受ける方もいらっしゃると思われますが心配はいりません。

まずは自分の体と心の状態を知り、養生の知恵を使い、自分の体と心の声に合わせた生き方をすることで老化の曲線をなだらかにすることができます。

そうすることで、体も心も楽に過ごせることに繋がります。

女性は思春期を迎える頃から初潮を迎え、更年期を迎える頃に閉経していきます。

その間、基本的には毎月、月経を迎えます。妊娠をすれば月経は止まり、出産後、授乳が終了する頃にまた月経が再開します。

月経リズムがあるということは、男性の体と比べると【気血精】を消耗しやすく【血虚(血の不足)】・【瘀血(血の滞り)】になりやすいと考えますし、臓腑でいう【肝・腎】がとてもデリケートなのです。

中国では【女子は血は元なり】と言われています。

女性は月経と言うホルモンリズムがあることで【血】のバランスを崩しやすくなっています。【肝は血を蔵す】と言われています。

【肝】は【血】を貯金する場所なので【血】に大きな影響を受けやすいのです。これは日本の女性に限らずどの国の女性でも共通して言えることなのです。

また日本女性は、昔からの文化の影響が大きく「空気を読む」ことを自然と身につけられているため我慢をしてしまう・周りを気にし、また気を使う・遠まわしに話すことが多い。

などからストレス解消がとても下手。これらからも【肝】がとても負担になっていることが感じられます。

【気】の巡りを動かすボス的な存在である【肝気】の巡りが良くなければ【血】が消耗しますし、また貯金ができなくなります。

そして、【気血】を作りだす【脾】にも攻撃しだしかねない。

いわゆるいじめのイメージです。結果、将棋倒しのように次から次へとバランスを崩していくことになります。

また日本は湿気が多く・ファッション(肌の露出が増えている)・生ものを食する国などから、中国の人に比べると日本の人は「冷え」が多いと言われています。

冷えと【肝】の巡りの低下によって【気滞(気の滞り)】あるいは【気虚(気の不足)】が起こり、結果【瘀血(血の滞り)】に繋がることになります。

ではどうしたらよいのでしょうか?

老化の曲線を緩やかにしていくこと

まずは【肝】の働きを気持ちよくさせてあげること。

そして、親子関係に当たる【腎(ホルモン・生命の源などのイメージ】も意識していくことで【肝】の働きがスムーズになっていくのです。

人間と同じく【肝】も一人では何もできない臓腑なのです。

そして、産後ケアの女性を観ていくにあたり中医学では【経・帯・胎・産】の状態を観て捉えていきます。

【経:月経の状態。帯:おりものの状態。胎:妊娠中の様子。産:出産・産後の状態。】の一部分だけではなく、一連の全体の流れを通してその人そのものを観ていくことを大切に考えています。

すべての情報を知ることは、第2・3子へと繋がることにもなり、何よりも養生に繋がります。

まさにこれらが老化の曲線を緩やかにしていくことなのです。

年齢を重ねていくことで体の変わり目を迎えることになりますが、それは老化・敗北ということではなく新しい出発であること。

女性ならではの生命を生み出す力・育む力・女性としての生きる力は人としての生き方にも繋がっていくことを感じます。

出産された女性は【気血精】を一気に消耗するため、出産経験のない女性に比べて、老化の曲線は早いかもしれません。

しかし、出産によって体内掃除はされるため【瘀血】が改善しやすいのです。

それに対して、出産経験のない女性は【気血精】の一気消耗は出産した女性に比べて少ないため老化曲線はなだらかですが体内掃除はされにくいため【瘀血】になりやすい傾向にあります。

最後に「女性であること・自分の体質のこと・地域性のこと・年齢のこと・季節のこと」などを練り合わせて、【肝気】を穏やかにしてくれるアロマの香りを上手に使いながら、自分自身を見つめて体と心の声に耳を傾けてみて下さい。

次回は東洋医学(中医学)⇒西洋医学視点からのバトンへ渡します。また違う視点からの解剖生理学担当コラムです。どうぞお楽しみに。

タッチケアサービス講座 中医学担当 山口恵美

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看護師や療法家を含む医院・施設専属のクリニカルアロマケアチーム。出産直後の患者、延べ15.000件以上の症例等を保有。

西洋医学・東洋医学両視点からのケアを深めるための講座を開催。現場に則した内容の講義講座や勉強会を行う。

クリニカルセラピストを目指す方、セラピストとして学びを深めたい方、また各療法家、医療従事者すべての方が対象で理論だけにとどまらず実践的かつ専門的に学んでいる。

また、様々なかたちで生活に取り入れやすいホリスティックライフ実践のための提案・ケアを一般対象にも行っている。

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